高橋一生、『リボーン』で意識した理想の座長像 「周りが語ることで主演が形作られる」

高橋一生、『リボーン』で貫く理想の座長像

 テレビ朝日系で毎週火曜21時より放送中の『リボーン ~最後のヒーロー~』で、かつてない多面的な役柄に挑んでいる高橋一生。不慮の事故で命を落とした新興IT企業「NEOXIS」創業社長の根尾光誠と、その中身が転生することになる、借金まみれの下町商店街の青年・野本英人の二役を演じている。オリジナルな役作りの哲学から、主演としてのスタンス、そして自身にとっての「ヒーロー」の存在まで、高橋に話を聞いた。

「人間が持つ“曖昧さ”を役を通じて実体験できている」

ーー本作について「まるで2つのドラマを同時に撮っているよう」とお話しされていましたが、かなりハードな撮影環境なのではないですか?

高橋一生(以下、高橋):これまでも複数の現場を行き来するような経験はあったので、自分としてはそれほどハードなことだとは受け止めていません。むしろ、出てくるキャラクターそれぞれの個性がしっかりと立っているので、日々お芝居をしていくのが純粋に楽しいですね。対する相手が変わることで、お芝居の質感のようなものが根底から変わっていく。それを今、撮影現場で肌で実感しながら面白がって演じています。

ーー事前に「こういうふうに組み立てよう」とイメージしていたものから、現場で変化した部分はありますか?

高橋:そもそも僕は、脳内でしっかりプランを用意して現場に行くタイプではないんです。特にドラマの現場においてはスピードが速いですし、頭であらかじめ考えていても追いつかない部分がありますから。現場の実際の空気を感じながら、その場で組み立てていきたい。今回は、僕が昔から「素敵だな」と思っている大好きな役者の皆さんがたくさん集まってくださっているので、僕がどう動いても必ずお芝居を返してくださる。そこは本当に助けられています。

ーー劇中では「商店街」のパートと「会社」のパートがありますが、やはり現場の雰囲気も違いますか?

高橋:面白いことに、場所によってスタッフの方々の雰囲気までガラッと変わるんです。商店街のロケ地に行くと、現場全体がすごく和気あいあいとしたムードになりますし、反対に会社のほうに行くと、まるでシリアスな社会派ドラマを撮っているかのような、引き締まった空気になる。その場が持つ空気に自分自身が引っ張られ、変わっていく感覚があります。

ーー二つの人格の狭間で揺れ動く姿は、人間ドラマとしても非常に見応えがあります。今回、この役を演じることで改めて感じたことはありますか?

高橋:人間が持つ“不安定さ”や“曖昧さ”を、改めて如実に感じています。人の性格や個性って、実は本人のものというより、周りの人間が作ってしまっているんじゃないかと思うんです。

ーー周りの人間が性格を作る、ですか。

高橋:ええ。対する相手や環境が変わるだけでなく、このドラマのようにその人間が生まれ育った背景そのものが変わってしまうと、自分自身の人格の輪郭まで曖昧になっていく。僕がいくら頭の中で「このキャラクターはこういう人間だ」と意識してカメラの前に立ったとしても、結局は周囲の人たちのエネルギーに飲まれていってしまうんです。例えば、自分がどれだけ深い悩みを吐露したとしても、周りに「そんなことで悩んでてどうするんだ!」と笑い飛ばすような人たちがいたら、自分の悩み自体がちっぽけなものに思えてきますよね。自分の個性が、周囲との関係性によって形を変えていく。その“曖昧さ”を役を通じて実体験できているのは、非常に面白い経験であり、贅沢なことだと思っています。

関連記事

リアルサウンド厳選記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「インタビュー」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる