『俺の話は長い』生田斗真の満との再会を期待! “人と比べなくていい”生き方の肯定

そして、いよいよポラリス契約の日が描かれる後半の「さくら餅と判子」。森尾が岸辺家に契約に訪れ、彼が手土産として持ってきたさくら餅を亡き父の仏壇の前で一気に頬張る満は、ある大きな決断をする。それは、実家を売らなくてもよくなる唯一の方法=自分がポラリスを継ぐという決断である。契約直前での手のひら返しに激昂する綾子だが、「家族全員その言葉を待ってたのよ」と途端に涙ぐむ。先述の秋葉家のエピソードも然り、やはりこのドラマをまとめてくれるのは綾子。いずれにせよ、たしかにこのドラマの行き着くべきところは、満が喫茶店を継ぐということしかない。

店で出すガトーショコラの特訓をし、着々と開店までの準備を進める満は、ついにポラリスのカウンターの内側へ入る。たしか連ドラ時代には、ここに入ることさえ頑なに拒み続けていたはずだ。何年も寄生するように暮らしていた実家の敷地内で、唯一足を踏み入れられなかった場所であり、それはいつも出入りする台所の勝手口を抜ければある、“日常”の延長線上にある近くて遠い神聖な場所。光司が代弁するように、その覚悟は父親に対して、また房枝や綾子に対して“負けを認める”ことでもある。36歳になって、ようやくそれができるようになった満。遅いように感じるかもしれないが、信念が強ければ強いほど、そうならざるを得ないものなのだ。

覚悟を決めるきっかけも、それが実行される場所もすべて岸辺家という敷地のなかだけで完結する。すなわち、この『俺の話は長い』は満のドラマであり、家族のドラマであり、それらを包括する存在である“家のドラマ”であることを証明している。当然その“家”が残ったのだから、また同じ場所で次の物語が展開することに期待せずにいられない。今回は4年後(ないしは5年後)とは言わず、春海が大学を卒業する2年後ぐらいが好タイミングではなかろうか。
5年前、すったもんだあって県会議員の秘書となったもののすぐにクビ。満は再び喫茶店を営む母親に寄生するニート生活へ。そんな中、ついに喫茶店&実家の売却話が。再び勢ぞろいした家族による屁理屈合戦! 果たして満はダメ男から脱却し、自立への道を歩み出すことができるのか。
■配信情報
『俺の話は長い~2025・春~』
TVer、Huluにて配信中
出演:生田斗真、安田顕、小池栄子、清原果耶、原田美枝子、杉野遥亮、西村まさ彦
脚本:金子茂樹
演出:中島悟
チーフプロデューサー:荻野哲弘
プロデューサー:櫨山裕子、岡宅真由美(アバンズゲート)、柳内久仁子(AX-ON)、難波利昭(アバンズゲート)
制作協力:AX-ON、アバンズゲート
©日本テレビ
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