『俺の話は長い』生田斗真の満との再会を期待! “人と比べなくていい”生き方の肯定

『俺の話は長い』SPの“次の物語”も期待大!

 3月30日に日本テレビ系で放送された『俺の話は長い 〜2025・春〜』でおよそ5年ぶりに復活した『俺の話は長い』。ニート生活に逆戻りしていた満(生田斗真)が36歳になり、母・房枝(原田美枝子)が切り盛りする喫茶店「ポラリス」はコロナ禍以降休業状態。そんななか、房枝が家の売却を考えていることを小耳に挟んだ満は、姉・綾子(小池栄子)が仕事を辞めて喫茶店を継ぎたいと言いだしたことに反発し、売却に賛成。ところがそれに反対する姪・春海(清原果耶)が大学のある大阪から急遽上京し大騒ぎになるという、5年経っても変わらない岸辺家&秋葉家の光景が描かれた。

 そのラストで、家族写真の撮影に「行けたら行く」と言ったまま本当に来なかった満は、草野球仲間の森尾(今井隆文)が働く不動産屋でアパートの内見をしている真っ最中。ついに満のなかで“実家を出る”という覚悟が固まったとなれば、“仕事を見つけて働く”ことが劇的に描かれた(とはいえ結局2週間と続かなかったらしいが)連続ドラマ版のラストさながらのクライマックスが待ち受けていると考えるのが普通であろう。ところがその方向にあえていかない、いわば“逆張り”をするのが『俺の話は長い』というドラマであり、満という男なのである。

 4月6日に放送された後編も、いつも通り2つのエピソードに分けられる。前半の「暗号資産とお好み焼き」では、珍しく岸辺家の茶の間でもなければBARクラッチでもない場所で物語の大半が進められていく。春海から運転の練習に付き合ってほしいと言われて連れ出された満は、秋葉家(連ドラ時には建設中だったので、今回が初登場である)に到着。実家が売りに出されたら満もこの家に住んで5人で暮らしたいと光司(安田顕)は考えているが、提案するやいなや綾子や春海、さらには房枝までもが反対するという流れだ。

 これまで岸辺家の茶の間を軸にしたエピソードで“岸辺家のドラマ”が展開してきたとなれば、秋葉家のリビングを軸にしたエピソードで描かれるのは当然“秋葉家のドラマ”である。かつて光司がやっていたバンドの復活ライブに、春海を誘うよう頼まれた満は、巧みに仕組んで春海と光司が親子水入らずで帰る機会を作りあげる。春海がいま悩んでいる“就活”と“運転”をかけた「東京のペースに合わせなくていい」の言葉に始まり、タイトルにもなっている“暗号資産”の結果論、それらから見出される「人と比べなくていい」という言葉。これは、この場にいない満の生き様にも当てはまり、まさにこのドラマの根幹を担うテーマといえよう。

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