広瀬すずは“希望”の象徴だった 『クジャクのダンス』の“陰”を成立させた“光”

その力が強ければ、影も深くなるのが光の特性である。本作では、先に触れた夏美だけではなく、話が進むにつれ検事の阿南(瀧内公美)や心麦に第2の母親のように優しく接していた京子(西田尚美)の“怪しさ”も目を引くものとなった。終盤で明らかになっていった阿南と鳴川(間宮啓行)の愛憎入り混じった複雑な親子関係や京子の屈折してしまった感情や愛に戸惑った人もいたのではないだろうか。でも、それは心麦の春生を思う心が純真であるからこそ、より際立つものとなったと考えることもできる。
まっすぐで強く、凛とした心麦を自然体で演じきった広瀬。4月4日には広瀬と杉咲花、清原果耶が3人で主演を務め、坂元裕二が脚本を手がける映画『片思い世界』がいよいよ公開される。東京の古い一軒家で一緒に暮らす3人の生活を描いていくこの作品で、広瀬は今度はどんな“光”を見せてくれるのだろう。ドラマを振り返りながらそんな期待を膨らませている。
「このマンガがすごい!2024」にもランクインした浅見理都の同名漫画を実写化するヒューマンクライムサスペンス。クリスマスイブの夜に元警察官の父親を殺された娘が、遺された手紙を手がかりに真相に迫っていく。
■配信情報
金曜ドラマ『クジャクのダンス、誰が見た?』
TVer、U-NEXTにて配信中
出演:広瀬すず、松山ケンイチ、森崎ウィン、瀧内公美、絃瀬聡一、野村康太、清乃あさ姫、斉藤優(パラシュート部隊)、酒井敏也、酒向芳、藤本隆宏、西田尚美、仙道敦子、原日出子、リリー・フランキー、磯村勇斗
原作:浅見理都『クジャクのダンス、誰が見た?』(講談社『Kiss』所載)
脚本:金沢知樹
プロデュース:中島啓介、内川祐紀、丸山いづみ
演出:田中健太、青山貴洋、福田亮介、棚澤孝義
主題歌:Ado「エルフ」(ユニバーサル ミュージック)
製作:TBSスパークル、TBS
©TBSスパークル/TBS























