『おむすび』翔也の笑顔に救われる 最終週で問われた“家族になる”ということの意味と重さ

そうは言っても、親代わりになれるかは重い問題である。歩が自信を失いかけたのも無理はない。簡単に結論が出せることではないし、ここは本当に悩みどころだ。『おむすび』は最後まで1人の悩みに向き合い続けていて、ドラマが終わった後も、結や歩は悩みながら、ひとりひとりと向き合って進んでいくのだろう。オープンエンドな構造を持つドラマで、続いていく日常を描くひとつの型といえる。

『おむすび』で人と人を結ぶカギとなったのが“食べる”ことだった。食べることで笑顔が生まれ、生きる力が湧き、思いが伝わる。NSTの必要性を説く結が「食べることは生きることだけでなく、その方の家族や未来にもつながっている」と言うのは、結自身がそれを感じてきたからだろう。食べることは、人と人、過去と未来をつなげることで、それを教えてくれたのが『おむすび』だった。
■放送情報
連続テレビ小説『おむすび』
NHK総合にて、毎週月曜から金曜8:00〜8:15放送/毎週月曜〜金曜12:45〜13:00再放送
BSプレミアムにて、毎週月曜から金曜7:30〜7:45放送/毎週土曜8:15〜9:30再放送
BS4Kにて、毎週月曜から金曜7:30〜7:45放送/毎週土曜10:15~11:30再放送
出演:橋本環奈、佐野勇斗、仲里依紗、北村有起哉、麻生久美子、新津ちせ、大島美優
語り:リリー・フランキー
主題歌:B'z「イルミネーション」
脚本:根本ノンジ
制作統括:宇佐川隆史、真鍋斎
プロデューサー:管原浩
写真提供=NHK





















