髙石あかりが『御上先生』でみせた“目の演技” 『ベビわる』とは異なる“静”の表現に注目

髙石の演技の魅力は、単に役柄を演じ分ける幅広さだけではない。彼女はそれぞれのキャラクターの内面に深く入り込み、その感情の機微を繊細に表現する力を持っている。激しい感情を爆発させるシーンはもちろんのこと、何気ない日常的な瞬間の中にも、キャラクターの心理状態を視聴者に伝えることができるのだ。また、幼少期からダンスを習い、キッズコンテストでの受賞をきっかけに芸能界入りしたという経歴も、彼女の表現力の豊かさを土台として支えていることは間違いない。『ベイビーわるきゅーれ』シリーズで見せた卓越した身体表現……例えば前鋸筋を意識したアクションへの取り組みなど、身体の隅々まで意識した演技は、長年のダンス経験によって磨かれたものだろう。
そして、彼女のキャリアにおいて、最も大きな転換期となるであろう作品が、2025年度後期のNHK連続テレビ小説『ばけばけ』である。小泉八雲の妻である小泉セツをモデルにしたヒロイン・松野トキ役を、2892人の中からオーディションで射止めたという事実は、彼女の才能と将来性に対する期待の大きさを物語っている。制作統括の橋爪國臣氏は「オーディションでカメラの前に現れた髙石あかりさんを見て、私たちが探していた『松野トキ』がそこにいる! と感じました」と語っており、彼女の役へのハマり具合が早くも期待されている(※)。

これらの出演作を通して浮かび上がる髙石あかりの魅力は、ジャンルを超えた適応力と確かな役作りへの探求心だ。彼女は単なる若手女優にとどまらず、ジャンルを選ばない多彩な表現力を持ち、今後の日本のエンタメ界を背負う逸材となりつつある。これまでのキャリアと、これから控える朝ドラという大きな舞台を踏まえると、彼女が今後、更なる飛躍を遂げ、日本のドラマ史にその名を刻む日もそう遠くないだろう。
「日本の教育を変えてやろう」という熱意を持ったエリート文科省官僚が高校教師となり、令和の18歳とともに、日本教育にはびこる権力争いや思惑へ立ち向かうオリジナル学園ドラマ。
参照
https://www.nhk.jp/g/blog/k75663bjl/
■放送情報
日曜劇場『御上先生』
TBS系にて、毎週日曜21:00~21:54放送
出演:松坂桃李、奥平大兼、蒔田彩珠、窪塚愛流、吉柳咲良、豊田裕大、上坂樹里、髙石あかり、八村倫太郎、山下幸輝、夏生大湖、影山優佳、永瀬莉子、森愁斗、安斉星来、矢吹奈子、今井柊斗、真弓孟之、西本まりん、花岡すみれ、野内まる、山田健人、渡辺色、青山凌大、藤本一輝、唐木俊輔、大塚萌香、鈴川紗由、芹澤雛梨、白倉碧空、吉岡里帆、迫田孝也、臼田あさ美、櫻井海音、林泰文、及川光博、常盤貴子、北村一輝
脚本:詩森ろば
脚本協力:畠山隼一、岡田真理
演出:宮崎陽平、嶋田広野、小牧桜
プロデュース :飯田和孝、中西真央、中澤美波
教育監修:西岡壱誠
学校教育監修:工藤勇一
製作著作:TBS
©︎TBS
公式サイト:https://www.tbs.co.jp/mikami_sensei_tbs/