『不適切にもほどがある!』SPドラマのストーリーを予想 描かれる時代は1995年?

『ふてほど』SPドラマはどんな話になる?

 『不適切にもほどがある!』(TBS系/以下『ふてほど』)のSPドラマが、来春に放送されることが決定した。

『不適切にもほどがある!』SP、来春放送へ キャスト再集結で最終回から1年後の物語に

2024年1月期にTBS系で放送された阿部サダヲ主演ドラマ『不適切にもほどがある!』が、来春にスペシャルドラマとして放送されるこ…

 2024年に金曜ドラマ(TBS系)で放送された『ふてほど』は、昭和の体育教師のおじさん・小川市郎(阿部サダヲ)が令和の現代にタイムスリップしたことをきっかけに巻き起こる騒動を描いたコメディドラマだ。

 劇中では昭和からやってきた市郎の目を通して、不便で乱暴だが人と人の距離がとても近かった昭和と、テクノロジーが発展して豊かで安全な社会だが、様々なルールに縛られてどこか息苦しい令和が対比され、鋭い社会風刺が展開された。

 脚本は宮藤官九郎、チーフ演出は金子文紀、プロデューサーは磯山晶。3人は『木更津キャッツアイ』、『タイガー&ドラゴン』、『俺の家の話』といった宮藤脚本のTBSドラマを手掛けてきたチームだが、『ふてほど』は過去作と比べると歌あり笑いありのコントバラエティ番組のようで、毎話登場するミュージカルシーンも話題になった。さながら、植木等の『無責任』シリーズの令和版とでも言うようなドラマだ。ゆえにドラマファン以外の客層にも響き、幅広い視聴者を獲得することに成功したのだろう。

 タイトルの略称である『ふてほど』が、その年の新語・流行語大賞の年間大賞を受賞し、名実ともに2024年を代表するテレビドラマとなった本作だったが、SPドラマはどのような話になるのだろうか?
 
 『ふてほど』の最終回では、市郎の教え子だった科学者の井上昌和(三宅弘城)が作った昭和と令和を行き来することができるバス型のタイムマシーンの燃料が切れたことで、2つの時代を行き来することができなくなり、市郎も昭和に戻ってきた。

 だが、2054年の未来からやってきた井上(小野武彦)が市郎の前に現れ、タイムトンネルを発見したので「好きな時代に行きましょう!」と言われる。

 そしてタイムトンネルに市郎が入っていくところで、物語は幕を閉じた。

 SPドラマが、タイムトンネルに入った市郎のその後を描くのであれば、彼がどの時代に向かったかによって、ドラマの内容が大きく変わるのではないかと思う。興味深いのは井上が「好きな時代」と言っていること。

 つまり遠い未来はもちろん、昭和よりも昔の戦国時代や幕末といった過去に行くことも考えられる。

 市郎のキャラクターが面白いのは、昭和の価値観を背負った体育教師という一見すると古い価値観を体現する頑固親父的存在と思いきや、令和に行くとスマホに興味を持ち、ものすごいスピードで現代社会に適応していくところだ。

 令和の現代を否定し昭和は良かったと懐かしむ懐古的な作品だと誤解されることの多い『ふてほど』だが、実は市郎は令和をしっかり楽しんでおり、令和の価値観を完全にインストールして昭和に戻ってくる。そんな市郎の超適応能力を持ってすれば、テクノロジーが発展した未来に行っても、平安時代や戦国時代に行ってもしっかり適応してその時代の人気者になることは間違いないだろう。

 そう考えると市郎がタイムスリップする時代を変えていけば、続編はいくらでも作れる。逆に市郎本人のバックボーンを掘り下げるのであれば、彼の子供時代に向かう可能性もあるのではないかと思う。

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