『まどか26歳』“一番やりたいこと”に向き合うまどかたち 働く人全員が共感できる悩みの種

「誰かのために生きすぎなんとちゃうか?」「ほんまにやりたいこと我慢してるんちゃうか?」と投げかけ、「敷かれたレールなんてぶっ壊せ! やりたいことやるために生きるんが人生ちゃうんか? 自分の幸せのために必死こいて闘うんが人生ちゃうんか?」と渾身のエールを送った。

親の病院を継ぐために自分自身が本当にやりたい科に進むことを諦めていた五十嵐。確かに「やるべきこと=誰かのために」、「やりたいこと=自分のために」という側面も強い中、両者の狭間で悩む人は少なくない。これは、亡くなってしまった島民との“約束”を頑なに守ろうとする菅野にも言えることかもしれない。そんな菅野に「約束ってさ、こっちだけの思い込みの時ってあるよね」と声を掛ける本郷もまた、自分の中で誓った“約束”に非常に律儀で忠実だ。亡き妻との時間を十分に持てなかった後悔から、自分のキャリアも生活も全てを娘ファーストに切り替えている。この約束が自分を支える拠り所になることももちろんあれば、時に自身を縛り付ける鎖のようにも足枷のようにもなり得るのではないだろうか。

これは「やるべきことなのか」、それとも自身が心から望んで「やりたいことなのか」。多くの人が迷ったことのある命題だと思うが、そんな時には城崎(佐藤隆太)の「考えるより先に体が動いた経験」を大切にするようにという助言を思い出したい。「医者としてと、人としてが一致している」瞬間こそが「やりたいこと」で、それを見つけるためには「今に集中すれば自ずと答えは見えてくる」のだと言う。

そして、きっとそんな紆余曲折や葛藤をずっと見守ってくれている存在がいるだけで、救われる思いがすることだってあるのだろう。自分で自分に課した約束を守るという見返りも賞賛ももちろんはなから求めてはいない自身の決意にそっと寄り添ってくれたり、その苦悩を見抜いてくれる人がいる幸運は、思いもかけないギフトだ。本郷にとっての千冬(髙橋ひかる)からの涙交じりの突っ込んだ問い掛けや、勇気を出して自分の希望を初めて正面から口にした五十嵐をがっしり受け止める城崎の揺るぎないハグのように。

さて、たくさん迷いながら「どの科に進んでもやることは同じ。目の前の患者さんに全力で向き合うこと」という指針に辿り着いたまどかは、最終的にどんな医師を目指すのか。救急車で運び込まれてきた角田(奥田瑛二)は無事だろうか。次週はいよいよ最終話。それぞれが「やるべきこと」と「やりたいこと」の狭間でもがきながら見つけた道を見届けたい。
“お医者さんだって、幸せになりたい!”と願う主人公の研修医が、変わりゆく医療現場で戸惑いながらも、ベテラン医師たちの試練に立ち向かい、同期の仲間たちと励まし合って、医師として女子として、人生と向き合う姿を描く。
■放送情報
火曜ドラマ『まどか26歳、研修医やってます!』
TBS系にて、毎週火曜22:00~22:57放送
出演:芳根京子、鈴木伸之、髙橋ひかる、大西流星、吉村界人、小西桜子、渡邊圭祐、堀田茜、佐野弘樹、岩男海史、小松利昌、信川清順、板倉俊之(インパルス)、森カンナ、赤堀雅秋、溝端淳平、佐藤隆太、木村多江、奥田瑛二
声の出演:大塚明夫、大谷育江
原作:水谷緑『まどか26歳、研修医やってます!』『あたふた研修医やってます。』『離島で研修医やってきました。』(KADOKAWA刊)
脚本:前川洋一、船橋勧、松井香奈、村野玲子、原野吉弘
音楽:伊賀拓郎
主題歌:星野源「Eureka」(スピードスターレコーズ)
演出:井村太一、山本剛義、大内舞子
プロデュース:塩村香里、松本桂子
編成:武田梓
製作:TBSスパークル、TBS
©TBS
©Midori Mizutani/KADOKAWA
公式サイト:https://www.tbs.co.jp/madoka26_tbs/
公式X(旧Twitter):@madoka26_tbs
公式Instagram:madoka26_tbs
公式TikTok:@madoka26_tbs























