鈴木伸之の“かわいくてカッコいい”姿に夢中 『まどか26歳』で更新する最高の先輩像

TBS系で放送中の『まどか26歳、研修医やってます!』は、芳根京子が演じるイマドキ研修医・若月まどかが、医師という仕事に就く人として、そして女子として向き合い、人生を考えていく姿を描いている。
同期たちとは「大丈夫、やれるよ」「頑張ろう」と励ましあい、ベテラン医師たちからの時に厳しく、時に優しい指導に泣き笑いしながら成長しているまどか。そんな彼らとは少し違う、歳の近い、頼れる先輩医師としてまどかを見守っている菅野尊を演じているのが、鈴木伸之だ。
菅野は、清桜総合病院の消化器外科の医師で、まどかは、病院内で倒れた人を心臓マッサージを施し、救っている菅野の姿を目撃して「私もいつかあんなふうに……!」と憧れを抱いていた。消化器外科はまどかの最初の研修先でもあり、菅野はまどかの指導医に。それが縁となり、研修先が変わってもまどかのことを気にかけているようで、菅野はまどかの新たな研修先の科の特徴とそれに適応するためのアドバイスをくれる。視聴者にとっても各話の舞台を知るための案内人となっているのである。

身長185cmの鈴木は、体つきもたくましく、その場にいるだけでまさに存在感がある。その、ある種の“圧”や頼もしい感じさせることができる佇まいを活かし、『ファーストペンギン!』(日本テレビ系)では熱意ある若手漁師、『恋です!〜ヤンキー君と白杖ガール〜』(日本テレビ系)や主演を務めた『自転車屋さんの高橋くん』(テレビ東京系)では、ヤンキーを演じている。現在は、これまで高橋克典や永井大が演じてきた破天荒な元ヤンサラリーマン・矢島金太郎を新たに鈴木が演じた2部作の映画『サラリーマン金太郎【暁】編では新生・金太郎の誕生、『サラリーマン金太郎【魁】編』が公開中だ。
このような役というのは、黙って睨んでいたらただの怖い人で終わってしまうが、鈴木が演じるとなぜか印象に残る。その理由はさっぱりとしたものの言い方やニカっと笑う顔に快活さや明るさが垣間見えるからだろう。

しかし、鈴木が本作で演じている菅野は、これまでの“頼れる感”は保ちつつも、明るさが抑えられているように思われる。菅野の医学部・研修医時代の同期らしい本郷(溝端淳平)もまどかに「あいつ、暗いでしょ?」と語っていた。だが、このストイックな姿が自分の仕事や患者と向き合う誠実さを表現しており、「なんとかなるっしょ!」とお気楽に考えがちな1年目研修医のまどかたちとの“格の違い”を見せつけることに繋がっている。