『まどか26歳』“一番やりたいこと”に向き合うまどかたち　働く人全員が共感できる悩みの種

　それぞれが「今一番やりたいこと」に向き合うことになった『まどか26歳、研修医やってます！』（TBS系）第9話。研修医期間がもう間もなく終わりに近づいた頃、まどか（芳根京子）たち同期はそれぞれに自身の進路に本格的に迷い始める。

　菅野（鈴木伸之）は研修医2年目に行った古花島の診療所でお世話になった先生の体調不良を受けて、島への移住を検討していた。そんな菅野からの問いかけで「自分にしかできないこと」が何なのか思い悩むまどかの姿は、何も研修医だけでなく、働く人全員が共感できる悩みの種だろう。

　しかし、妻を早くに亡くした本郷（溝端淳平）が言う「今一番何をやりたいのか」もまた重要な無視できない要素だ。「明日生きている保証もないから今を生きないと」「命の時間はわからない。自分のやりたいことは絶対に後回しにしちゃいけない」と言う彼の言葉には一段と説得力が宿る。そして、腎臓がんで再入院していた橋口（森田哲矢）からも同じような言葉が後々飛び出す。

　度重なる手術に嫌気が差し、同意書へのサインを渋っていた橋口に、手術を受けようと思わせるドラマ作りを思いついたまどかたち。幼い頃から入院生活の繰り返しで一人ぼっちだったという橋口に『ドクターK』に似せた人形劇を披露し、彼が一人ではないというメッセージを送る。

　「誰かのために生きようとしている時点で、君はもう孤独じゃない。だって君の中にその相手がいるだろ？」。この言葉に励まされた橋口が発する五十嵐（大西流星）への切り返しがまた秀逸だ。