『ジークアクス』はガンダム初心者こそ観るべき一作 黒沢ともよの“圧倒的表現力”を体感

『ジークアクス』はガンダム初心者におすすめ

 連日SNSで「#ジークアクス」を見かけるたびに、その圧倒的な高評価に驚かされていた。とはいえ、筆者は『機動戦士ガンダム水星の魔女』でガンダムデビューを果たした新参者。『機動戦士Gundam GQuuuuuuX -Beginning-』(以下、『ジークアクス』)を初心者が観ても楽しめるのか、敷居の高さを感じていた。そして、同じように興味はあるものの、一歩踏み出せずにいる人も少なくないのではないかと思っている。

 結論から言うと、私のようなガンダム新規層の初心者はもちろん、完全予備知識なしでもおそらく十分楽しめる作品にはなっている。ただし、詳しくは後述するが、『ジークアクス』を観る前に予習として押さえておくと良いポイントがあることは伝えておきたい。

『機動戦士Gundam GQuuuuuuX(ジークアクス)-Beginning-』本予告

 もうひとつ強調したいのは、本作こそ初心者が劇場で観るべき作品だということ。その理由は、映像や音響の迫力だけでなく、本作の構成にある。

 本作はテレビシリーズ放送に先駆けて、一部話数を劇場上映用に再構築した劇場先行版。前半と後半で全く異なる趣きを見せる。おそらく、前半の展開はガンダムファンとってアツい部分なのだろうと観ながら思っていたものの、初心者には少々分かりづらさがあったことも否めない。あのキャラの活躍に「ガンダムの主人公=アムロ・レイ」と脳内にインプットされた筆者は、少なからず混乱した。

 そこで、これから『ジークアクス』を観る初心者におすすめしたいのが、1979年のTVアニメ『機動戦士ガンダム』第1話を観ておくことだ。とりあえず、第1話だけでいい。ネタバレを避けるため詳細は控えるが、これだけで前半パートの意味がよりクリアになり、理解度がグッと上がるはずだ。

 筆者は劇場を後にしてから改めて第1話を観て、「先に観ておけばよかった」と強く思った。もちろん、何も知らずに飛び込んでも楽しめる作りにはなっているが、少しの予習でより深く楽しめることは間違いない。

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