宇野維正の映画興行分析
予約開始と同時に満席続出の『超かぐや姫!』 改めて問われるNetflix作品の劇場公開問題

2月第3週の動員ランキングは、前週1位に初登場した『ほどなく、お別れです』が週末3日間で動員28万7700人、興収4億800万円をあげて2週連続1位となった。公開から10日間の累計動員は114万8100人、累計興収は15億8500万円。先週のコラムで引き合いに出した、昨年同時期公開の目黒蓮主演作『トリリオンゲーム』の推移を大幅に上回っていて、ロングヒットとなる兆しが見えてきた。
2位に初登場したのは、空知英秋による人気コミック『銀魂』の吉原炎上篇を完全新作としてアニメーション映画化した『新劇場版 銀魂 -吉原大炎上-』。オープニング3日間の動員は26万2700人、興収は4億600万円。『ほどなく、お別れです』とたった200万円の差で興収1位を逃したが、4位の『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ キルケーの魔女』、8位の『銀河特急 ミルキー☆サブウェイ 各駅停車劇場行き』と合わせて、3作品中2作品は共同配給ながら、バンダイナムコフィルムワークス配給の作品がトップ10に3作品もランクイン。他にも、初登場5位の『シン・エヴァンゲリオン劇場版』リバイバル上映(カラー配給)、初登場6位の『劇場版 僕の心のヤバイやつ』(東映とエイベックス・ピクチャーズの共同配給)と、トップ10の半分が国内アニメーション作品に占められているのに応じて、国内外のメジャー配給会社以外の配給会社の名前がランキング上位に並ぶのも日常化しつつある。
国内アニメーション作品で大きな話題を集めているのは、ツインエンジン配給で本日2月20日から1週間限定で劇場公開されているスタジオコロリド・スタジオクロマト制作の『超かぐや姫!』だ。約1ヶ月前の1月22日にNetflixで配信が開始され、日本国内だけでなくグローバルで大きな反響を呼んでいる同作。これまで国内外を問わずNetflixの長編作品が劇場公開される際は、配信の2週間前に限定された劇場で先行公開されるケースが多かった。しかし、長編作品としてNetflix史上最大のヒットとなったアニメーション作品『KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ』は、昨年6月20日の配信と同時におこなわれた劇場公開の後、空前の世界的大ヒットを受けて8月に北米、イギリス、オーストラリア、ニュージーランドなどでシングアロング版も期間限定で劇場公開されてきた。また、昨年は日本でも『新幹線大爆破』がNetflixでの配信の約半年後に期間限定で劇場公開されるなど、これまでと比べて劇場公開の形式がフレキシブルになってきていて、今回の『超かぐや姫!』の劇場公開もその流れにあると言えるだろう。
『超かぐや姫!』の問題は、作品の人気や来場者特典のニーズに対して、公開期間とスクリーン数が極端に少ないことだ。案の定、公開の数日前に予約が開始されると同時に、全国のスクリーンで満席が続出。Netflixは劇場公開を興行ビジネスではなく作品の宣伝の一環ととらえているとも言われているが、観客の膨大なニーズを満たせなかった『KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ』の限定公開(結局多くの地域で10月にも再上映がおこなわれた)のような事態が日本でも起こりつつある。
■公開・配信情報
『超かぐや姫!』
2月20日(金)より1週間限定劇場公開
Netflixにて世界独占配信中
キャスト:夏吉ゆうこ(かぐや役)、永瀬アンナ(酒寄彩葉役)、早見沙織(月見ヤチヨ役)
劇中歌楽曲提供:ryo(supercell)、yuigot、Aqu3ra、HoneyWorks、40mP/kz(livetune)
監督:山下清悟
キャラクターデザイン:へちま、永江彰浩
製作:コロリド・ツインエンジンパートナーズ
アニメーション制作:スタジオコロリド、スタジオクロマト
©コロリド・ツインエンジンパートナーズ
公式サイト:https://www.cho-kaguyahime.com
公式X(旧Twitter):https://x.com/Cho_KaguyaHime
公式YouTube:https://www.youtube.com/@Cho-KaguyaHime-PR
公式TikTok:https://www.tiktok.com/@cho_kaguyahime_pr
公式Instagram:https://www.instagram.com/cho_kaguyahime_pr/
公式ニコニコ動画:https://www.nicovideo.jp/user/141907929
『今週の映画ランキング』(興行通信社):https://www.kogyotsushin.com/archives/weekend/






















