中国アニメ映画『ナタ』続編が怪物的ヒット 『インサイド・ヘッド2』を超え歴代記録更新へ

アメリカと並ぶ世界屈指の巨大映画市場、中国から怪物的ヒット作が現れた。CGアニメーション映画『哪吒之魔童闹海(原題)/Ne Zha 2(英題)』(以下、『ナタ2』)が、春節(旧正月)の劇場公開以来、中国だけで恐るべきメガヒットを記録している。
『ナタ2』は、2019年に公開された『ナタ~魔童降臨~』(原題:哪吒之魔童降世)の続編。主人公の少年神・ナタ(哪吒)は、英雄として生まれてくるはずが、陰謀によって魔王としての宿命を背負うことになった。人々に恐れられ、孤独に育ったナタだったが、英雄の運命を担うアオビン(敖丙)と親友になる。本作ではナタとアオビンの魂が同じ肉体に閉じ込められてしまい、2人は元の姿に戻るべく3つの試練に挑むことになるが……。
すさまじいのは、本作が中国市場だけで興行収入119億5400万元(約16億4790万ドル)というとんでもない数字を記録していること。すでに中国では歴代No.1の大ヒット作となっており、歴代第2位の『1950 鋼の第7中隊』(2021年)が興行収入57億7500万元(約7億9610万ドル)だから「その差は歴然」という次元でさえない。
単一の市場で興行収入10億ドルの大台を突破したのは世界初で、『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』(2016年)の9億3666万ドルをはるかに上回った。しかも、同作が165日間上映されたのに対し、『ナタ2』はまだ公開後3週間しか経っていないのだ。
まもなく本作は『インサイド・ヘッド2』(2024年)の世界興収16億9886万ドルを抜き、アニメーション映画史上最大のヒット作となる見込み。中国にて興行収入情報を発表・予測している「猫眼」によると、国内の最終興収は157億4200万元(約21億7010万ドル)で、達成すれば『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』(2018年)や『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』を抜いて世界歴代5位となる。
繰り返すが、これは全世界でヒットしている映画ではなく、現時点ではほとんど中国の興行収入だけを計算しているにすぎない。海外市場ではオーストラリアとドイツのほか、アメリカでも2月14日に劇場公開が始まった。北米でも中国系移民の注目を集め、660館での上映ながら週末3日間の興行収入は720万ドルを記録。週末ランキングのベスト5にも食い込んだ。また、プレジデントデー(祝日)である月曜日を含む4日間では推定830万ドルを稼ぎ出す見込みだ。




















