見上愛は“追い続けたい”女優だ 『光る君へ』『119』『風、薫る』などで進化する表現力

見上愛、“追い続けたい”女優としての魅力

 そんな親友役もさることながら、一つの出来事に向き合い、全力投球していくヒロインとしての姿もとても清々しい。映画単独初主演作『不死身ラヴァーズ』では、見上自身が持つクールで落ち着きのあるイメージを覆し、とびきり笑顔で「好き」をぶつけてくる。見上演じるりのは、幼い頃に出会った“甲野じゅん”という男の子に運命を感じ、ある日再会した彼に全力投球するが、両想いになると彼は突然姿を消してしまう。そして不思議に思っている中、別の場所で再び“甲野じゅん”と出会い、同じように恋に落ちていく。視聴者も、りのと同じ不思議な感覚に陥ることになるのだが、とにかくどんな彼であっても全力で想いを伝える彼女の純粋さと気持ちの強さには元気をもらえるに違いない。

『不死身ラヴァーズ』©2024「不死身ラヴァーズ」製作委員会 ©高木ユーナ/講談社

 またNetflixシリーズ『恋愛バトルロワイヤル』では、もう少しシリアスな見上を見ることができる。彼女が演じるのは、貧しい家庭で育ちながら、母の計らいでお嬢様学校に通っている唯千花。ある日学園は共学になり、恋愛禁止の校則が課される。校則を破れば退学になるのにもかかわらず、陰では多くの人々が恋愛していることを知った唯千花は、彼らを脅迫してお金を得るようになる。しかしそれは学生たちを守るためでもあって、理不尽な校則に立ち向かおうと、誤魔化さずまっすぐな姿勢を見せる一面もある。道がなければ自分で作る。純粋で透明感のある見上には、正義を掲げる姿もよく似合うのだ。

 2025年も、そしてきっと来年も見上愛の活躍は止まらないだろう。ミステリアスだがまっすぐ全力で、元気があるけど落ち着きもある。さらなる表現力を楽しみに、追い続けたい女優の一人だ。

参照
※1. https://realsound.jp/movie/2025/01/post-1907927.html
※2. https://realsound.jp/movie/2025/01/post-1908572.html

『119エマージェンシーコール』の画像

119エマージェンシーコール

消防局の通信指令センターを舞台に、個性的な指令管制員(ディスパッチャー)たちが、困難な状況にチームとして立ち向かう中で、それぞれに抱える葛藤や問題を乗り越えて成長していく群像劇。

■放送情報
『119エマージェンシーコール』
フジテレビ系にて、毎週月曜21:00~21:54放送
出演:清野菜名、瀬戸康史、見上愛、一ノ瀬颯、前原滉、酒井大成、三浦獠太、蓮佛美沙子
、堀内敬子、遠山俊也、中村ゆり、佐藤浩市
脚本:橋本夏、小柳啓伍
演出:水田成英、並木道子ほか
プロデュース:渡辺恒也
主題歌:羊文学「声」(F.C.L.S./Sony Music Labels)
制作協力:C.A.L
制作著作:フジテレビジョン
©︎フジテレビ
公式サイト:https://www.fujitv.co.jp/119emcall/
公式X(旧Twitter)@drama119_cx
公式Instagram:@drama119_cx
公式TikTok:@drama119_cx

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