見上愛「心に届くような物語を」 “初めてづくし”の朝ドラヒロインとしての覚悟

2026年度前期連続テレビ小説『風、薫る』の制作発表・主演会見が1月24日にNHK放送センターで開かれ、主人公の一人を演じる見上愛、作者の吉澤智子、制作統括の松園武大が登壇した。
朝ドラ第114作目となる本作は、大関和と鈴木雅という2人のトレインドナースをモチーフに描く、考え方もやり方もまるで違う2人の主人公のバディドラマ。一ノ瀬りん役を見上が演じ、もう一人の主人公・大家直美役はオーディションにて決定する。

会場に姿を見せた見上は主人公役の実感が湧いたのか、感極まり目に大粒の涙を浮かべる。ちょうど1週間前に事務所の社長とマネージャーとの話の中で今回の主人公役を聞いたという見上は、朝ドラ初出演にして初主演。物語の舞台となる明治時代も初、バディものを演じるのもほぼ初、看護師役は少し演じたことはあるが、しっかりと所作を学ぶのは初という、初めてづくしの役となる。
見上は制作側からのオファーによるキャスティングで決まっているが、これまで何度も朝ドラオーディションに挑戦してきた。自分でいろんな出会いに制限をかけないため、夢や目標を決めないようにしてきた見上だったが、オーディションを受けてきたこれまでを振り返り、「やっぱり出たいなって思っていたんだなと思ったんですね」と素直な思いを明かす。
朝の時間を大切にしているという見上は、「みなさんの1日が素敵になる手助けというか、そのきっかけを作れるようなドラマに出させていただくのが、ものすごく光栄なことだなと思います」と笑みを浮かべる。どうすれば現場で一緒の人が嫌な思いをせずに心地よく働けるのかを考えながら仕事をしてきた見上は、「みんながいい作品を作りたいという思いを持って気持ちよく働けてることはすごくいいなと思うし、そうやって作られた作品には観てくださってる方に届く温かさや熱量だったり、強さ、優しさ、そういうものが伝わると信じているので、今回の作品もそうやって素敵な撮影現場からみなさんの心に届くような物語を伝えていけたらと思います」と主演としての思いを述べた。

NHKドラマでは『広重ぶるう』『幸運なひと』『まんぞくまんぞく』、民放では『Dr.DMAT』(TBS系)といった幅広いジャンルの脚本を手掛けてきた吉澤。2008年の脚本家デビューから女性のバディものを書きたいといろんなところで話してきて、それを朝ドラで描けるということに嬉しさを滲ませる。吉澤は2年前にヘルニアで入院しており、夫が病で倒れた際にも、多くの看護師に触れてきた。そこで、たくましい強さの優しさがあると感じたという。「今回のお話はそういった、優しいたくましさを持った2人のドラマになればと思っています」と『風、薫る』にかける思いを吉澤は話した。





















