『日本一の最低男』“太陽”がつなぐ“家族”の思い 巧みな構造の蛭田直美脚本に唸る


考えてみれば、陽菜と彼女の前の夫とのあいだにできた子であるひまりは、正助とは血のつながりがない。今回描かれた、初潮という男親には話しづらいできごと(しかも正助がいくら理解したところで、本人が話そうとしなければ踏み込むことのできない男親の難しさもここには描かれている)に直面して一人で抱え込んでしまったり、どこか家族に馴染みきれていないひまりの姿から見える疎外感のようなものは、少なからずそれが関係しているのだろう。ここで改めて陽菜という存在の大きさを感じると同時に、「太陽がなくなったらどうなるか」ということに対する一平とひまりの発想の近似性からは、大森家の家族のつながりを感じ取らずにはいられない。

また都がひまりに語りかける、“太陽の中心で生まれた光が地球に届くまで17万年かかる”という話。陽菜の光がずっと届き続けるのだと励まし、その光を届けるための支えになるとひまりに誓う都。それを受けてひまりは、都のようになりたいと前を向き、都は“カッコいい大人”になると心に決める。すると「なれんじゃね?」という一平の適当なようにも見える返しから、高校時代の一平と都の回想に飛び、太陽の光の逸話が一平から都に伝えられたものだとわかるラスト。一平から都、都からひまり、そしてひまりから都への循環構造も、このドラマの登場人物たちを確かにひとつにつなぐものだ。
“日本一の最低男”である主人公・大森一平が、家族を、社会を、そして日本を変えていくために奮闘する姿を描く完全オリジナル作品。
■放送情報
『日本一の最低男 ※私の家族はニセモノだった』
フジテレビ系にて、毎週木曜22:00~22:54放送
出演:香取慎吾、志尊淳、冨永愛、増田梨沙、千葉惣二朗、向里祐香、佐野玲於、橋本じゅん、安田顕ほか
第1話ゲスト:草彅剛(友情出演)
脚本:政池洋佑、蛭田直美、おかざきさとこ、三浦駿斗
演出:及川拓郎ほか
プロデュース:北野拓ほか
主題歌:香取慎吾「Circus Funk(feat. Chevon)」(トイズファクトリー)
制作協力:テレパック
制作・著作:フジテレビ
©︎フジテレビ
公式サイト:https://www.fujitv.co.jp/saiteiotoko/
公式X(旧Twitter): https://x.com/saiteiotoko_cx
公式Instagram:https://www.instagram.com/saiteiotoko_cx/
公式TikTok:https://www.tiktok.com/@saiteiotoko_cx






















