“次世代プレイヤー”黒川想矢は何を担う? 『怪物』から『嘘解きレトリック』までの歩み
放送中の『嘘解きレトリック』(フジテレビ系)の第10話に黒川想矢がゲストとして登場するのだという。
演技者の“新星”と目される彼にとっては、これがはじめての「月9ドラマ」のフィールドだ。若手俳優の中心的な存在である鈴鹿央士と松本穂香がダブル主演を務める本作において、彼はどのような役割を担うのだろうか。
この『嘘解きレトリック』とは、昭和初期の九十九夜町を舞台としたレトロ・ミステリーだ。“鋭い観察眼を持つ借金まみれの貧乏探偵”の祝左右馬(鈴鹿央士)と、“ウソを聞き分ける能力者”である浦部鹿乃子(松本穂果)の異色コンビが、軽妙な掛け合いでさまざまな難事件を解決していくのが見どころの作品である。
そんな本作で黒川が演じるのは、履物屋で下働きをしている嘉助というキャラクター。とある事情で本を買いに本屋へとやって来たものの、目的のものを購入するには手持ちのお金ではどうしても足りない。しかし、そこで転機が訪れる。店主が店を空けたうえ、たまたまおつかいにやってきた利市(橋本淳)が嘉助を店員だと勘違いして声をかけるのだ。この状況を利用して彼は店員になりすまし、利市のお代を受け取ってそのまま逃走するのだという。
これはもちろんいつの時代においても犯罪行為なわけだが、この嘉助とはなかなかに機転が利く人物のようだ。若くしていくつもの苦労を重ねてきた彼は、健全な人間関係を築いてこれなかったらしい。いくら本当のことを話しても、誰も自分のことを信じてくれないのだと思ってやまない。けれども、陽気で優しい利市やウソを聞き分けられる鹿乃子らとの出会いを得たことで、彼はしだいに変わっていくことになる。
本作は鈴鹿と松本という若手俳優がダブル主演を務める作品ということもあってか、ふたりにとって比較的同世代の、“若手”に類される俳優たちがゲストとして登場しては物語の展開を盛り上げてきた。たとえばそのひとりが黒羽麻璃央であり、唐田えりかであり、前回の第9話でいえば濱尾ノリタカと野村康太がそうだ。この流れを継ぐのが、新星・黒川想矢なのである。
まだ15歳になったばかりの黒川は、本作に登場してきた若手俳優の中でも特別に若い存在だ。が、いまの彼のことを“子役”と認識している方はもうほとんどいないのではないだろうか。すでにいくつかの代表作を持った、次代を担う若手プレイヤーだからである。