『ギークス』少しずつ開いていく“西条”松岡茉優の心の扉 “安達”白洲迅との関係性にも変化

『ギークス』少しずつ開いていく西条の心の扉

 誘拐事件が、岡留(小林隆)の自作自演だとついに確信した西条(松岡茉優)。『ギークス~警察署の変人たち~』(フジテレビ系)第10話では、宝石店強盗事件の一報が飛び込む。岡留の出現を確信した西条と芹沢(中村蒼)は、息巻いて現場へ駆けつけるのだった。

 二人より一足早く宝石店に忍び込んだ岡留は、冷徹な目つきで店員たちを避難させ、震える指で勝又に銃を突きつける。息を切らして駆けつけた西条は、張り詰めた空気に飲み込まれながら、必死に岡留を説得しようともがく。

 岡留と勝又(遠藤健慎)が互いの命を狙い合う極限状態の中、岡留は14年前に悲劇的な事故で失った愛娘・亜弓のことを声を震わせて問い詰めるが、勝又は冷笑を浮かべるばかり。ついに勝又が引き金を絞るが、銃は沈黙。その一瞬の隙を逃さず岡留が勝又に飛びかかり、取り押さえる。

 一方、厳重に護送された岡留は、安達順平(白洲迅)の取り調べに応じ、全てを吐露する。亜弓の死に関与しながら良心の呵責すら見せない勝又に天罰を下すべく、岡留が綿密に練り上げた壮大な計画だったのだ。

 第10話の最大の見せ場は、慕っていた岡留が犯人だったことが確定し、家に帰っても考え込む西条に、安達が優しく声をかける場面だろう。二人の関係性の変化を感じさせたこのシーンでは、安達が「西条さんは西条さんのままでいいんです」と言いながら、西条の頭をポンポンと軽く叩く。「もう遅いので」と言って自室に逃げ込む西条だが、その背中には安達の優しさがしっかりと届いていたようだ。

 次の日、署の仲間たちがボウリング場に集まる中、気分の晴れない西条だけは家にいた。岡留の言葉をきっかけに、父・真(堀部圭亮)からもらった「警察官入門」の本を思い出す西条。

 警察ドラマあり、ラブコメあり、時にサスペンスの要素も織り交ぜる『ギークス』。お馴染みのコメディタッチを楽しみつつ、どの面が出るかわからないサイコロのように、毎回異なる面白さを見せてくれるところが本作の魅力だ。そんな中、第10話では「家族ドラマ」としての一面が色濃く打ち出された。これまで西条の鋭い推理や、同僚たちとの温かな交流を軸に進んできた本作だが、今回は登場人物たちの意外な家族模様にスポットが当たる。

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