『ギークス』物語がより深みを増す 作品のテーマと見事に呼応するサンボマスターの主題歌

『ギークス』物語がより深みを増す

 他人の闇を暴くことで得られる満足感は、真の幸せとは程遠い。本当の幸福は、自分自身の内側から湧き上がるものだからだ。しかし、この真理を見失った者がいた。世間では「ジャッジマン」と名乗る正体不明の人物が、次々と企業に脅迫状を送りつける事態が多発していたのだ。

 その内容は、企業の闇を白日の下に晒すかのように、不正やハラスメントを赤裸々に告発するというもの。標的となった企業は瞬く間にSNS上で炎上し、その評判は地に落ちた。誰もが「次は我が身か」と戦々恐々とする中、『ギークス~警察署の変人たち~』(フジテレビ系)第8話の冒頭で、その不吉な矛先が「なのはな銀行」小鳥遊支店に向けられる。

 脅迫状が届いた翌日から、ネット上にはなのはな銀行や従業員を誹謗中傷する書き込みが溢れかえり、事態はエスカレート。ついには何者かによって支店の大きな窓ガラスが割られるという暴力行為にまで発展してしまった。

 小鳥遊署の刑事たちは連日連夜、この一連の事件の解明に奔走していた。緊迫した空気が街全体を覆う中、そんな騒動をよそに、とある場所で西条(松岡茉優)、吉良(田中みな実)、基山(滝沢カレン)の3人は束の間の安らぎを見出していた。

 そこは、落ち着いた雰囲気のマッサージサロン。サロンの顔とも言えるオーナーセラピスト、エミリ(乙葉)は、その優しい笑顔と温かみのある声で来店客を出迎えた。エミリの特徴は、単なる施術だけでなく、絶妙なタイミングで繰り出される心地よいトークにあった。その巧みな話術は、疲れた心身を癒すと同時に、来店客の心の奥底にある悩みをも引き出し、解きほぐしていくのだった。

 一方、刑事課の芹沢(中村蒼)らは、サイバー犯罪に精通し「なのはな銀行」の顧問弁護士も務める薮下(上谷圭吾)と、その右腕的存在のパラリーガル相田(モロ師岡)同席のもと、同銀行小鳥遊支店の支店長・神谷(林和義)から事情聴取を行っていた。届いた脅迫状には「3日後の20時までに、上層部の不正行為を謝罪しないと真実をすべて晒す」という不穏な文言が記されていた。

 当初、神谷はこれらの告発を全面的に否定していたが、薮下の鋭い追及に遭い、ついに不正の存在を認め、謝罪会見を開く流れに。そんな緊迫した状況下で、薮下の法律事務所にもジャッジマンからの脅迫状が突如として届く事態となった。

 エミリの卓越した施術技術に魅了され、日々のストレス解消のためにサロンに足繁く通う西条。しかし、ジャッジマン事件の捜査に忙殺される日々が続き、予約をキャンセルせざるを得ない状況に陥っていた。

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