『マル秘の密子さん』桜井日奈子が千秋役をキュートに好演 意外な人物の推し変で大荒れに

『マル秘の密子さん』桜井日奈子の演技

 そんな彼女の純粋な思いを、美樹は犯罪に利用している。それを分かった上で従った千秋にも問題はあるが、密子は告発する気にはなれなかった。なぜなら、生前の鞠子も九条家にいわれのない罪や責任を押し付けられていたから。不正を暴けば、社長選で夏(松雪泰子)が勝てるかもしれない。それでも、姉の姿を重ねる千秋の人生を犠牲にすることができなかった密子。自分を本当に大事にしてくれる存在に気づいた千秋は、社長選の直前で賄賂の存在を会長の五十鈴(小柳ルミ子)に明かす。

 しかし、美樹に動きを読まれており、不正を暴くことはできなかった。夏の勝利は絶望と思われた社長選。だが、蓋を開けてみると、夏と遥人で票は真っ二つに割れる。実は千秋が推しを遥人から密子に変えた裏で、もう一人の人物が“推し変”を遂げていた。

 この第6話で明らかになったのは、美樹の執念だ。自身が五十鈴から「あなたが男だったら」と散々言われて育ったため、念願の息子だった遥人をどんな手を使ってでも社長の座に据えようとする美樹。その裏で不遇を強いられていたのが、娘の玲香(志田彩良)だ。彼女は個人的なイベントに有名人を招いたり、SNSのフォロワーを買うために会社の金を使い込んでいた。それ自体は許されることではないが、そうまでしてでも彼女が社長になりたかったのは母である美樹に自分のことを見てほしかったからだろう。

 そんな娘の切実な思いにすら目も向けず、美樹は玲香を引きずり落とすために、彼女の横領を告発する。そのことを知った玲香は自分の力を必要としてくれた夏と手を組むことを決意。社長選で自分を支持する幹部とともに、夏へ一票を投じる。その場で自分を懐柔するために美樹がプレゼントしたネックレスを引きちぎる場面は胸のすく思いがした。千秋も玲香も自分を大切にしてくれない人の支配から抜け出し、世界を変えたのだ。

 遥人も賄賂の存在を知らなかったことから考えると、密子の本当の敵は美樹なのかもしれない。それとも一見フラットな視点で次期社長にふさわしい人物を見極めているように思える五十鈴が黒幕なのか。華麗なる一族の闇はまだまだ深そうだ。

■放送情報
『マル秘の密子さん』
日本テレビ系にて、毎週土曜22:00〜放送
出演:福原遥、松雪泰子、上杉柊平、清水尋也、志田彩良、吉柳咲良
脚本:丑尾健太郞、藤岡明子、上野詩織、ばばたくみ
演出:中茎強、小室直子、伊藤彰記、苗代祐史
チーフプロデューサー:田中宏史
プロデューサー:鈴木亜希乃、柳内久仁子
音楽:Ken Arai
制作協力:AX-ON
製作著作:日本テレビ
©︎日本テレビ
公式サイト:https://www.ntv.co.jp/maruhi-mitsuko
公式X(旧Twitter):https://x.com/maruhi_mitsuko
公式TikTok:https://www.tiktok.com/@maruhi_mitsuko
公式Instagram:https://www.instagram.com/motomiyamitsuko

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