『スカイキャッスル』比嘉愛未が一番“まとも”なお母さん? 矢印が混線し過ぎの人間関係

『スカイキャッスル』混線し過ぎの人間関係

 続いて、第3話で大きな動きを見せたのがモラハラ夫・二階堂亘(鈴木浩介)に正々堂々対抗した妻・杏子(比嘉愛未)だ。そもそも亘はどうやら杏子の父親のオペのせいで指が思うように動かなくなったらしく、エリート外科医の道を絶たれたと言う。自身の叶えられなかった夢を息子・翔(柴崎楓雅)に一方的に託し、教育虐待する亘の姿には、似たようなケースで子どもが親を殺害するに至った悲惨な実際の事件がいくつか思い起こされるほどだ。

 息子の翔役を演じる柴崎は『テセウスの船』(TBS系)で非常に難しいキーパーソン役となった加藤みきお役を見事熱演し強烈なインパクトを残していた。本作でも父親に抑圧されながらも、母親のことは常に気に掛ける心優しさ滲むキャラクターを好演している。

 亘の出張中に牢獄のようだった息子の勉強部屋の壁に穴を開け、壁紙を張り替えて光を取り入れる杏子の姿はとても頼もしかった。他人の蹴落とし合いと根回しが当然の本作の世界観の中では、杏子の正攻法での突破がより一層清々しいものに思える。

 そして杏子は他のママ友とは異なり、息子を医師にさせることだけが正解でも正義でもないと考えているようで、すぐに様々なことを公私混同しがちな紗英や夏目美咲(高橋メアリージュン)をいなすような場面も見られた。今後、最も泉と意気投合していく役どころになりそうだ。

 あまりに近場で繰り広げられる人間関係の窮屈さに驚かされると同時にむせ返りそうになるのを抑えつつ、それぞれどこでどう点と点が繋がっていくのか今から注目したい。

■放送情報
『スカイキャッスル』
テレビ朝日系にて、毎週木曜21:00~21:54放送
出演:松下奈緒、木村文乃、比嘉愛未、高橋メアリージュン、小雪、田辺誠一、大谷亮平、鈴木浩介、本多力 ほか
原作:『SKYキャッスル』(SLL Joongang Co., Ltd)
脚本:橋本裕志
音楽:髙見優、信澤宣明、大隅知宇
エグゼクティブプロデューサー:内山聖子(テレビ朝日)
ゼネラルプロデューサー:大江達樹(テレビ朝日)
プロデューサー:浜田壮瑛(テレビ朝日)、山形亮介(角川大映スタジオ)、河野美里(ホリプロ)
演出:田村直己(テレビ朝日)、中前勇児、星野和成
制作協力:角川大映スタジオ
制作著作:テレビ朝日
©テレビ朝日
公式サイト:https://www.tv-asahi.co.jp/skycastle/
公式X(旧Twitter):https://twitter.com/skycastle__ex
公式Instagram:https://www.instagram.com/skycastle__ex/
公式TikTok:https://www.tiktok.com/@skycastle_ex

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