比嘉愛未は“静かに戦う”役柄が似合う 『スカイキャッスル』モラハラ夫にどう立ち向かう?

比嘉愛未は“静かに戦う”役柄が似合う

 高級セレブ街で巻き起こる受験戦争やマウント合戦が描かれる『スカイキャッスル』(テレビ朝日系)。

 主演の松下奈緒演じるママ友の中でもボス格の浅見紗英と行動を共にしているのが、天真爛漫な夏目美咲(高橋メアリージュン)と、控え目ながらも芯の強さが滲む二階堂杏子(比嘉愛未)だ。3人共に夫は同じ病院の勤務医で、それぞれに同級生の子どもを持ち、帝都医大付属高校に入学させることに躍起になっている。ママ友でありながら様々な方面でライバル関係にもある彼女らの絶妙なパワーバランスも面白い。

 そんな中、紗英と受験コーディネーター・九条彩香(小雪)を奪い合うことになるのが杏子だが、ママ友同士の一触即発のバトル同様に本作の見応えポイントになっているのが二階堂家の息苦しい家庭環境だろう。夫・亘(鈴木浩介)の教育虐待の域に達している過剰な教育熱心ぶりとモラハラぶりには思わず閉口してしまう。息子・翔(柴崎楓雅)を“飼育まがいの教育”で追い詰め、窓のない部屋に閉じ込め勉強漬けにさせようとする。杏子にも平気で「役立たず」と言い捨てる亘からは相当に強いコンプレックスとプライドの高さが滲んでおり、一つ屋根の下で生活するのはどう考えても酷すぎる。

 「この街の人は幸せを装うことが上手なの。少しでも自分を良く見せようと皆必死なのかもしれない」とは杏子の言葉だが、演じる比嘉はこれまでも笑顔の下に抑圧された思いを抱える役どころを演じることが多かったように思える。

比嘉愛未、『つくたべ』は“ご褒美のような作品” 春日さん役・西野恵未との信頼関係を語る

料理を作るのが好きな野本さんと、食べることが好きな春日さん。「食」を通じてふたりの女性が出会い、共に食卓を囲むことで関係を深めて…

 『作りたい女と食べたい女』(NHK総合)で好演した野本さん(比嘉愛未)も、料理を作ることが好きなだけで「いいお嫁さんになれるね」と勝手に男性目線でジャッジされることにモヤモヤを抱えているキャラクターだった。自分の好きでやっていることを全て「女子力」などの言葉に置き換えられることに息苦しさや違和感を抱える野本さんが、春日さん(西野恵未)と出会って自身のそのままを受け入れ、様々なことを許し合っていく姿には静かな幸福感が充満する。

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