『春になったら』ファン必見! メイキングや座談会など“愛がさらに深まる”特典映像を解説
今年の冬、“最も泣ける”と話題を集めたドラマ『春になったら』(カンテレ・フジテレビ系)が、8月9日にBlu-ray&DVDで帰ってきた。
奈緒と木梨憲武がW主演を務め親子役を演じた本作は、3カ月後に結婚する娘と3カ月後にこの世を去る父が織りなす、笑って泣けるハートフルホームドラマ。「生きるとは?」「死ぬとは?」と、視聴者にクエスチョンを投げかけてくるような物語構成が絶妙で、雅彦(木梨憲武)と瞳(奈緒)の素敵な親子関係に毎週ほっこりさせられたのを覚えている。
本稿の執筆を機に改めてドラマを見返したのだが、物語の展開が分かっているにもかかわらず、また泣いてしまった。これほど愛に溢れている作品はめずらしい。主人公の瞳が、とにかくたくさんの愛に包まれながら生きているのだ。父の雅彦から、恋人の一馬(濱田岳)から、友人の岸(深澤辰哉)と美奈子(見上愛)から、そして義理の息子の龍之介(石塚陸翔)から。ずっと父に守られてきた瞳が、雅彦が病気になったことをきっかけに守る側に回る展開にも、胸がグッとくる。
また、ステージ4の膵臓癌と診断された雅彦が、延命はしたくないと言い張る理由と、治療を受けて1日でも長生きしてほしいという瞳の想い。どちらにも共感できるだけに、この物語は苦しい。正直、『春になったら』の最終回を見届けたいまでも、何が正解だったのかは分からない。しかし、瞳と雅彦は“たられば”を言わず、「この選択でよかった」と思えるよう前を向いて生きてきた。2人の姿を見ていると、“幸せ”というのは正しい選択をすることではなく、自分が決めた道を正しいと信じて歩んでいくことなのだと思わされる。
Blu-ray&DVDには、本編映像のほかにも特典映像がたっぷり収録されている。まずは、1時間35分を超えるメイキング。『春になったら』は、死と向き合う悲しい場面も多いのだが、なぜかいつも陽だまりのような柔らかな空気感に包まれていた。メイキングを通してキャスト陣のやり取りを見ていると、その理由がはっきりと分かるような気がする。クランクインのときから、木梨と奈緒の間にはしっかりと“親子愛”が存在しており、まわりのキャスト陣がその愛に引っ張られることで、愛が連鎖していく。
メイキング映像には、クランクイン&クランクアップ集だけでなく、雅彦の決めポーズ「グラッツェ!」誕生の瞬間や、奈緒&木梨の誕生日祝いを行ったときの様子、そして「DONMAI DONMAI」と書かれたスタッフジャケットお披露目のシーンなども収録されているため、『春になったら』ファンは必見だ。