自然過ぎて撮影をストップ? 朝ドラ『ばけばけ』制作統括が明かす髙石あかりのすごさ

2025年度後期連続テレビ小説『ばけばけ』が3月25日、NHK大阪放送局スタジオでクランクイン。4月2日にはヒロイン・髙石あかりも撮影初日を迎え、このたび制作統括の橋爪國臣が取材に応じた。
朝ドラ第113作目となる本作は、松江の没落士族の娘・小泉セツをモデルにした物語。外国人の夫、ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)と共に「怪談」を愛し、急速に西洋化が進む明治の日本の中で埋もれてきた名も無き人々の心の物語に光をあて、代弁者として語り紡いだ夫婦の姿を描く。主人公・松野トキ役を髙石、トキの夫・ヘブン役をトミー・バストウが演じる。
橋爪は「前日にみんなで本読みをしたんですが、本当に面白かったんですよ。『これが映像になったらどうなるんだろう』と、楽しみで楽しみで仕方がなかった」とクランクイン前の心境を明かし、「美術や技術のみなさんがセットや照明に凝っていて、カメラワークもかなり前から検討してくれていることを知っていたので、実際に撮影を見て『いいなぁ』とただひたすら考えておりました」と手ごたえを語る。
キャストは順次クランクイン。「初めましての方が多いと聞いていたので、どうやって家族を作っていくのか、探り探りになるのかと思っていたら『あなたたちはずっと前から一緒にいたんですか?』というくらいに盛り上がっていて(笑)。すごく楽しそうにしていたのが印象的でしたね。不思議とみんながずっと前から一緒に暮らしているかのように、とてもよい雰囲気でした」と、髙石をはじめ、松野家を演じる小日向文世、池脇千鶴、岡部たかしらの様子を振り返った。
そんな和気あいあいとした雰囲気の中、ヒロインを務める髙石については「ベテランのキャストに囲まれても萎縮することなく、思った通りの彼女の良さが発揮されている」とし、「食べることが大好きで、いろんなことに興味を持っている方だなと。撮影以外の部分にまで『どうなっているんだろう?』と興味のアンテナが広くて、そういったところが芝居の深みに繋がっているんだろうなと思っています」と印象を述べる。
さらに、「髙石さんはセリフを言っているように聞こえないんですよね。セリフではなく、そこで何かを喋っているんじゃないかと感じられる。役者として、本当に見たことがないくらいすごいなと思っています」とその表現力を絶賛し、こう続ける。
「この間、普通に会話をするシーンを撮影したのですが、あまりにも自然で、演技なのか演技じゃないのかがよくわからなくなって。演技ではないと思った人が、途中で撮影を止めてしまうハプニングがありました(笑)。それほどリアルなんですよ。ふじき(みつ彦)さんの脚本を体現できるのは彼女だったな、やっぱり選んでよかったな、と思いますし、彼女に助けられている部分がたくさんあります」


















