中川大志が再び“日曜の夜”に 『ザ・ロイヤルファミリー』重要キャラへの抜擢も納得

日曜劇場『ザ・ロイヤルファミリー』(TBS系)第8話から、沢村一樹演じる椎名善弘の長男・展之役で中川大志が登場する。幼稚園から大学までエスカレーター式で進学し、大学卒業後に起業。その後、馬主の資格を取得すると有志で「若手馬主の会」を立ち上げ、親世代が築き上げた伝統や格式を打ち破り、世代交代を目論むという役柄だ。
さすがクールな野心家・椎名善弘の息子。行動力があり、人一倍向上心を持ち合わせているようだ。栗須(妻夫木聡)に連れられ、耕一(目黒蓮)が北陵ファームのセリ市を見学に行くと、耕一が目を付けていた新馬を展之が競り落とし、そこで初めて2人は出会う。亡くなった山王耕造(佐藤浩市)から相続馬限定馬主としてロイヤルファミリーを引き継いだ耕一にとって、同年代で野望を持ち、古い慣習を打ち破ろうとしている展之は、興味を持たずにいられない存在になるようだ。
情熱あふれるワンマン社長・山王耕造を認めている理由について聞かれた椎名善弘は、「たくさんのものを背負っているからです。私は、たくさんの人の思いを引き受けている人が好きなんです」と答えた。そして「それといつも楽しそうだった。何かを心から楽しんでいる人っていうのは、見ているこちらもうれしくなるでしょう。話していると、こちらの孤独が癒えるんです」と語るその横顔には、彼自身の孤独が滲んでいた。

山王耕造や椎名善弘のように、安易に弱みを見せることもできない立場に身を置く人物というのは、孤独を感じることも多くなるのだろう。力がある強い人間が、会社の経営や家族のことなど全てを背負い、常に重要な最終決定権を握り、プレッシャーの中で判断していく。それは、昭和の時代を生きた男の悲哀ともいえるだろう。展之や耕一は、そうした悲哀とは一見無縁のようにも見える。その若さが頼もしくもあるが、彼らには今の時代だからこその、乗り越えなければならない困難もあるはずだ。
社長だから、馬主だからという特定の人に限らず、直感やひらめき、個人の運不運に左右されるやり方よりも、今は確かなデータと根拠に基づいた答えを優先する。リスクを最小限に抑えるその手法は、現代人にとっては合理的であり、当然のこととも思える。

親の世代が築いたもの、創り上げたものをそのまま受け継ぐのではなく、時代に合わせ、自分たちのやり方を探していく。展之にも耕一にもそれぞれに思い描く理想があるようで、それらを彼らがどう表現していくのか。これから何を守り、何を引き受けていくのか。親世代から引き継いだ彼らが、これからどう馬と向き合うのかも見どころとなっていくのだろう。





















