『忘却バッテリー』藤堂葵と一緒に大泣き “定番の演出”を神回に押し上げた一筋の涙

『忘却バッテリー』藤堂葵と一緒に大泣き神回

 毎週、「ほとんどの作品を観ている」アニメライター・はるのおとによる週刊連載「【アニメ】神回・オブ・ザ・ウィーク」。5月20日から5月26日に放送された分から注目の“神回”をピックアップ!(編集部)

 これは独り言なのですが、先週は『ガールズバンドクライ』第9話の次回予告が一番驚きましたね! サブタイトル「欠けた月が出ていた」。これは3ピースバンド・THE GROOVERSによる1996年発売シングルの表題曲なのですが、正直なところ第8話までサブタイトルで取り上げられていた曲のバンドより知名度としては一歩どころか三歩くらい劣るかもしれませんが、彼ら、滅茶苦茶ストレートにロックしていていいんですよ! 今期アニメで例えると、正統派ゴルフものの『オーイ! とんぼ』くらいのポジションというか。

 特にギターボーカルの藤井一彦さんのギターは天下一品で、有名どころだとBUMP OF CHICKENの藤原基央さんなんかも彼のファンなのですが(ほかにも多数いて、いわゆる「Artist's Artist」的な存在なのです)、自分も「もっと売れてほしい」「フェスとか出て有名になってほしい」なんて思いながらたかだか20年程度ですがライブを観てきたものの、まさか『ガルクラ』で取り上げられるとは。これがフックアップというものなのか。少しでも興味を持つ人が増えてくれれば嬉しいのですが……いや、これは独り言なんですけど。

 それで先週放送された『ガルクラ』第8話はいつも以上に神回で、もう当連載では殿堂入り状態なのですが、コップの水の波紋、雨、涙といった水を使った演出も冴えていました。というわけで、今回は同じく水にちなんだ演出に震えた神回を紹介していきます。

雲が晴れ、大地に落ちるは……『忘却バッテリー』第7話

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 野球無名校にいろんな事情を抱えた天才が集う高校野球アニメの第7話は、自信家の藤堂 葵がメインのエピソードです。強肩強打のショートで中学時代は強豪からも声がかかっていた彼ですが、エラーにより一塁に送球できないというイップスになりました。しかし一度は退いた野球の道を主人公達と共に歩み始め、この話では周囲の助けを受けながらイップス克服のきっかけを掴みます。

 この話、ここまでいかにも雨が降りそうだった曇り空が次第に晴れていく……というのはアニメではよくある定番のグッと来る演出ですが、白眉はその後のバッティングセンターのシーン。藤堂は偶然にもシニア時代の先輩と出会い、共にバットを振りながら近況を交わします。そこでずっと迷惑をかけ続けたと思っていた先輩から温かい言葉を受け、藤堂の心は空模様と同じく晴れますが、目からは涙がこぼれます。

 先週から『逃走中 グレートミッション』や『黒執事 -寄宿学校編-』などの猛烈に面白い野球回が続いていますが(後者はクリケットですが)、唯一の野球専門アニメ『忘却バッテリー』がいよいよ本格化してきました。

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