アニメキャラに学ぶ「折れない心の作り方」 藤堂葵、日比野カフカ、馬狼照英らの“名言”
アニメを観る醍醐味とは、登場人物たちが困難や試練に立ち向かい、それを乗り越えながら成長し、変化していく姿を目の当たりにできることにある。そしてそれは、必ずしも主人公だけに限った話ではない。脇を固めるキャラクターたちもまた、視聴者の心を深く揺さぶる魅力を放つことがあるからだ。
たとえば、7月から第2期の放送が決定している『【推しの子】』では、公式X(旧Twitter)でのいいねやリポスト数からも分かるように、主役を抑えて圧倒的人気を誇るのが有馬かなだ。彼女がこれほどまでに視聴者の心を掴んだのは、元天才子役としてのピークが過ぎたことにコンプレックスを抱きながらも、その葛藤と向き合い、アイドルとして再び輝きを取り戻そうとする姿に多くの人が共感し、感動したからだろう。有馬の“推したくなる”魅力は他のキャラクターを凌駕するほど強烈で、そんな彼女の「あんたの推しの子になってやる!」というタイトル回収に胸を熱くしたファンも多かったはずだ。
本稿では逆境に立ち向かい、自らの弱さと向き合いながら成長していくキャラクターたちの名言を紹介しよう。
『怪獣8号』「夢を追うってのは、 一番譲れない大事な物で毎分毎秒誰かに負け続けることなんだ」
『怪獣8号』に登場する主人公・日比野カフカは、「防衛隊員になって怪獣を倒したい」という夢を抱きながらも、才能も実力も乏しかった。しかし、一度は諦めかけた夢に再挑戦する決意を固めた矢先、突然怪獣に寄生されて自身が怪獣となってしまう。怪獣8号の魅力は、年齢と現実の厳しさに負けない熱い心を持つカフカのマインドだ。
第4話で他の隊員との実力差を思い知ったカフカが放ったこの言葉は、彼の覚悟を表している。「けど、そんなことどーでも良くなるくらい熱くなれんだよな」と明るくポジティブに言い切るカフカに、勇気づけられた視聴者は多いだろう。
『忘却バッテリー』「いや…やる。1%でも可能性があるなら。もう逃げたくねぇ」
『忘却バッテリー』は、誰もが恐れる強さを持ったバッテリーの清峰葉流火と要圭だったが、キャッチャーの圭が記憶喪失になるという独自の設定が特徴的な野球アニメだ。個性豊かなキャラクターたちや、ギャグとシリアスの絶妙なバランスも作品の魅力となっている。セリフの発言者である遊撃手の藤堂葵は、派手な風貌だが真面目で努力家であり、ストイックに野球に打ち込む強さを持つキャラクターだ。
時にプライドが高く俺様思考が透けて見える発言もするが、それを裏付けるだけの結果を努力で勝ち取っているところこそ彼の長所。第7話で藤堂がイップスと向き合う際に発したこのセリフは、上手くなることへの貪欲さを表す彼らしい言葉でもある。仲間の支えによって、イップスを乗り越え始めた藤堂の今後にも期待が高まる。