『おむすび』視聴者からの声で実現? 仲里依紗のパラパラシーンの裏側をCPが語る
NHK連続テレビ小説『おむすび』が現在放送中。平成元年生まれの主人公・米田結(橋本環奈)が、どんなときでも自分らしさを大切にする“ギャル魂”を胸に、栄養士として人の心と未来を結んでいく“平成青春グラフィティ”。
第13週では、これまで野球一筋で生きてきた翔也(佐野勇斗)が、ケガによって星河電器野球部を退部。にもかかわらず、街を歩けば「ヨン様、ヨン様」と指さされることに嫌気が差し、別の人間になりたいと思うようになる。
そこで翔也は、かつて結がギャル姿でパラパラを披露した際に誰にも気づかれなかったことを思い出し、チャンミカ(松井玲奈)の協力を得てギャル男に変身。だが、そんな翔也の考えに腹を立てた結は「ギャルなめんな」と激怒してしまう。
第64話、事情を知った結の姉・歩(仲里依紗)は翔也に「どうせギャルやるなら、格好じゃなくてここ(心)真似しなよ。ギャル魂」とアドバイス。そして、「大丈夫、これからなんでもできる。だって、あんた生きてんだから」と伝えると、ギャル時代のOGを率いてパラパラを踊り出すのだった。
制作統括の宇佐川隆史は、この局面でパラパラシーンを入れた理由が2つあると語る。
「制作サイドとしても、『またパラパラが見たい』とずっと思っていました。再び結が踊って自分や誰かを元気づける、ということもありますが、結の時代のトランスを取り入れたようなトラパラの系統と、無表情でフォーメーションを組んで踊る90年代のパラパラにはまた違いがあり、歩が踊ることで、違ったパラパラの魅力や意味合いを見せることができるのではと考えました。そしてもう一つ、第13週は結と翔也、それぞれが“考える週”にしたいと思ったときに、翔也に気付きを与える存在は誰なのかと。そこで、結の一番の応援団である姉が、生きざまとしてパラパラを踊る。歩はそれができる人ですし、脚本の根本(ノンジ)さんもそれを望んでいました」と説明する。
「カラオケなどもそうですが、実際にやってみることで理屈を超えて今を楽しむことができる。生きることに臆病になっている、不安になっているときこそ、そんな“理屈を超えた何か”が大事かなと思っていて。『まずはやってみよう』と翔也の背中を押すという意味でも、ここでパラパラシーンを入れることにしました」
視聴者からも「もっとパラパラが観たい」との要望が多く寄せられているそうで、「もちろん脚本は随分と前に出来上がっているので、そのご要望を脚本に取り入れたわけではないのですが、やはりパラパラはいつの時代の人たちのことも勇気づけてくれるんだなと思いました。私たちもそれを欲していましたし、視聴者の方の声を受けて、このタイミングで描けて良かったと感じました」と続けた。