岐阜がアニメの“聖地”に? 『変人のサラダボウル』『君の名は。』『聲の形』などから紐解く

なぜ岐阜に“アニメ聖地”が集中?

『僕は友達が少ない』

 “はがない”の愛称でも親しまれている『僕は友達が少ない』は、先程紹介した『変人のサラダボウル』と同じく平坂読が原作を手掛けており、こちらも作者の出身地である岐阜県の名所がモデルとなった舞台が登場する。

 岐阜県岐阜市にある長良公園は主人公・羽瀬川小鷹たちが通う聖クロニカ学園敷地内のモデルとなっており、OPや作中などでも多く登場することからファンにとっても有名な聖地なのではないだろうか。岐阜県だけでなく、待ち合わせ場所として定番の「金時計」がある名古屋駅などもアニメに登場しており、岐阜県を訪問した際にはあわせて立ち寄りたいところだ。

『君の名は。』

 新海誠によるアニメーション映画『君の名は。』は、日本国内での興行収入が250億円を突破し、今や名前を知らない人はいない大ヒット作品である。

『君の名は。』はなぜ心に留まり続けるのか? “忘却”が呼び起こす強烈なシンパシー

“忘却”は、さまざまな感情を人にもたらす。その中でも分かりやすい感情は、怯えだ。人は年を重ねるごとに忘却のスピードも増すが、その…

 そんな本作でも岐阜県の名所が登場しており、瀧が三葉に会いに行くシーンでは飛騨古川駅、糸守町について調べる場面では飛騨市図書館などが描かれている。また名所だけでなく、岐阜県高山市のご当地グルメ・高山ラーメンを注文するシーンも見られた。ちなみに作中に出てくる「糸守湖」については新海の出身地でもある長野の「諏訪湖」ではないか? という声が多く出ていたが、新海自身はX(旧Twitter)で「松原湖や大月湖をイメージしていた」と語っている。(※3)

 近年ではアニメ・漫画が多くの経済効果を生み出すことは広く知られ、“アニメ聖地”として地域の活性化を図る自治体も珍しくない。岐阜県もロケ地や聖地に力を入れており、都心からの移住者獲得に取り組んでいる。(※4)このような試みがクリエイターの輩出や知名度の増加に繋がっているのではないだろうか。自然や綺麗な街並み、観光地が多い岐阜はさまざまな風景を描きやすいことも聖地に選ばれることが多い理由の1つであると推測できる。歴史を感じさせる景観はアニメの風景にも調和し、物語をより彩るのだ。

参照

※1. https://recommend.jr-central.co.jp/oshi-tabi/hensara/
※2. https://www.tbs.co.jp/anime/hensara/news/202404172100.html
※3. https://x.com/shinkaimakoto/status/788249326556286977
※4. https://www.gifu-iju.com/know/location/

■放送情報
『変人のサラダボウル』
TBS系にて、毎週木曜深夜1:28〜放送
※放送日時は変更になる可能性あり
原作:平坂読『変人のサラダボウル『(小学館「ガガガ文庫」刊)
キャラクター原案:カントク
監督:佐藤まさふみ
シリーズ構成・脚本:平坂読、山下憲一
キャラクターデザイン:福地和浩
美術監督:越膳滝美
色彩設計:勝田綾太、山本真希
CG監督:沼尻勇人
撮影監督:坂井慎太郎
編集:村井秀明
音響監督:平光琢也
音響制作:神南スタジオ
音楽:馬瀬みさき、田中津久美、中村巴奈重
音楽制作:日音
アニメーション制作:SynergySP、スタジオコメット
キャスト:古川慎(鏑矢惣助役)、矢野妃菜喜(サラ・ダ・オディン役)、M・A・O(リヴィア・ド・ウーディス役)、大地葉(プリケツ役)、藤田茜(皆神望愛役)、沼倉愛美(愛崎ブレンダ役)、高田憂希(永縄友奈役)、真野美月(閨春花役)、上田燿司(草薙勲役)立花慎之介(タケオ役)、鳥海浩輔(鈴木役)
オープニングテーマ:和ぬか「ギフにテッド」
エンディングテーマ:名誉伝説「今晩の喧嘩」
©平坂読/小学館/「変人のサラダボウル」製作委員会

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