s**t kingz 持田将史が大切にしている“やり続けること” 「今日よりも明日は絶対に良くなる」

持田将史が俳優活動で得た新たな気付き

 木村拓哉が主演を務めるドラマ『Believe-君にかける橋-』(テレビ朝日系)が4月25日にスタートした。本作は、橋づくりに情熱を燃やす土木設計家の狩山陸(木村拓哉)が、刑務所に収容されるという思わぬ困難に見舞われながらも、決して諦めることなく希望と再生の道を模索するヒューマンエンタメ大作。

 世界的ダンスパフォーマンスグループs**t kingzのリーダー・shojiこと持田将史が、狩山が収容された「国立刑務所」103房室の同房者で、凶暴な強盗犯・赤塚力を演じている。初回の放送で強いインパクトを残した持田に、「夢にも思わなかった」という木村との共演や、4年前にスタートさせた俳優業で得た気付きを語ってもらった。(苫とり子)

『Believe』木村拓哉との共演で受けた刺激

『Believe-君にかける橋-』©テレビ朝日

――第1話を拝見しましたが、見た目の厳つさはもちろんのこと、普段のニコニコとした持田さんとは結びつかない荒々しいキャラクターに衝撃を受けました。

持田将史(以下、持田):SNSでも「嫌いになりそう」という声が上がっていたり、この役のために坊主になったので、そもそも僕だと気づかなかった人もいるみたいですね。「千鳥の大悟さんみたいな人がいると思ったら、s**t kingzのshojiじゃん!」という投稿もありました(笑)。ギャップを楽しんでいただけたようで、すごく嬉しいです。

――テレビ朝日開局65周年記念作品となる本作に出演することになった経緯を教えてください。

持田:昨年12月にs**t kingzのメンバーのOguri(小栗基裕)と、ピアニストの小曽根真さんと3人で『ある都市の死』という舞台をやったんです。その舞台を今作のプロデューサーさんが観に来てくださったことが、今回の縁に繋がったと聞いています。それ自体すごく嬉しかったんですが、赤塚という普段の自分とギャップのある役を信じて任せてくださったことを嬉しく思います。チャレンジングな役柄に僕自身もワクワクしましたし、できることはなんでもしたいなと思い、秒で坊主になりました(笑)。

――主演を務める木村拓哉さんは、今まで持田さんにとってどんな存在でしたか?

持田:木村さんの存在って、代わりがきかないですよね。もちろんどんな人も全員そうなんですが、木村さんはその中でも特別だと思っていて。僕も木村さんのドラマやバラエティーを観たり、音楽を聴いて育ってきましたが、ずっとスーパースターとして見続けてきた方なので、まさかこうして作品でご一緒できる未来が来るとは夢にも思わなかったです。

――それでは、撮影中もすごく緊張したのでは?

持田:僕はあまり人に対して緊張しないタイプなので、それよりも、どんなお芝居を間近で見れるんだろうとか、そこから何を吸収できるかな?という期待の方が大きかったですね。木村さんもすごくフラットに接してくださる方で、緊迫するシーンでも「もっとガッツリきてもいいよ」と声をかけていただきました。そういうふうにこちらが萎縮しないような空気感を作ってくださったので、とてもありがたかったです。

――第1話で赤塚と狩山が一触即発の状態になった時も、ガッツリ絡んでいらっしゃいましたよね。

持田:あの場面も、台本上ではもう少し抑えめだったんです。だけど、現場で監督や木村さんと相談する中で「赤塚だったら、もっとやってもいいかもね」という話になり、拳で狩山の顔をグリグリする場面が出来上がりました(笑)。この現場はそうやって監督や役者同士で相談し合うことも多いですし、木村さんもたくさん提案してくださるんですよね。それだけ、この作品を良いものにしたいという気持ちが強いんだと思います。だけど、強制はせず、「shojiが思う赤塚でいいんだけど、もしかしたらこういうのも可能性としてはあるかもよ」という感じで提案してくださるので、すごく一緒に作品をつくらせてもらっている感じがしました。

『Believe-君にかける橋-』©テレビ朝日

――その後、狩山が“橋屋”としての思いを吐露する場面も印象的でした。私もあそこでグッと心を掴まれたんですが、実際に木村さんのお芝居を間近で見られていかがでしたか?

持田:木村さんの中にあるエネルギーが台詞に説得力を与えていて、わざわざ気持ちを作らなくても自然と聞き入っちゃいました。あのシーンはシチュエーションが刑務所の中なので、看守に聞かれないために大きい声が出せないんです。だから木村さんも小さい声でカメラに語りかけているんですが、静けさの中に熱を込めるお芝居に惹きつけられましたし、木村さんの声っていいですよね。今までも木村さんが出演する作品を観て思ったことはあったんですが、今回ご一緒させていただいて、「なんて素敵な声なんだろう」って改めて感じました。

――今回、刑務所に服役する囚人を演じるにあたり、何か準備したことはありますか?

持田:実際に刑務所に入った方の体験談を読んで、どういうふうに日々過ごしているのか、どんな嫌なことがあるのか、といったことを下調べした上で撮影に臨みました。そういうふうに最初は犯罪者を演じるということに意識が向いていたんですが、途中からどんどん違うなって思ってきて。たしかに赤塚は罪を犯して刑務所で生活はしているけど、“職業・犯罪者”ではない。刑務所に入るまでも人生があって、いろんなことの積み重ねで彼は足を踏み外してしまったんですよね。それに気づいてからは、罪を犯してしまった赤塚ってどんな人間なんだろう、本当はもう少し愛くるしい人間なんじゃないか、ということ考えて役作りするようになりました。

――たしかに赤塚はちょっと少年っぽいところが随所にあって、憎みきれないキャラクターだなと思いました。

持田:まあ眉の上に「Trust」って刺青を入れちゃうくらいだから、考えなしだとは思うんですけど(笑)。実はほかにも刺青があって、腕には「Never Change」って入っているんですが、これは監督と相談しながら決めたんです。袖の下に「変わらねーぜ」って書いてあったら、めちゃくちゃダサいなと思って(笑)。でもそれが赤塚の良さというか、自分ではカッコいいと思っていることが、他人からすると少しズレていたり、虚勢を張っているけど、実はそんなに強くなくて、圧倒的な力の前ではヘラヘラしていたり、どこか人間味のあるキャラクターなんですよね。そういう赤塚の人間としての弱さやチャーミングな部分も丁寧に表現したいと思いました。

『Believe-君にかける橋-』©テレビ朝日

――他にも103房室のメンバーには、一ノ瀬ワタルさん演じる特殊詐欺犯の灰谷、濱田龍臣さん演じる殺人未遂犯の野口と個性的な面々が集っていますが、皆さんとの共演はいかがでしたか?

持田:めちゃくちゃ楽しかったです。103房室のLINEグループができるほど打ち解けて、第1話の放送前も「そろそろ始まるね~」ってみんなでメッセージを送り合っていました。役者としてのキャリアは僕が一番短く、現場でも学ぶことだらけだったんですが、休憩時間になるとみんな急に普通の人になるんですよね。それこそ、先ほど赤塚が少年みたいとおっしゃってくださったんですが、全員少年みたいなんです。一ノ瀬さんもすごくかわいらしいい方なのでみんなから愛されていて、現場では「ちゃし!」「そうっすな」といった一ノ瀬ワタル弁が大流行しています(笑)。濱田くんもよく喋るし、休憩中は4人で横並びになってずっとお喋りしていました。

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