『ブギウギ』終盤に「ヘイヘイブギー」を披露する意味 “全て”が詰まった歌詞を読み解く

『ブギウギ』ヘイヘイブギーが終盤の意味

 もうすぐ『ブギウギ』が終わってしまうと思っているからかもしれないが、〈あなたがほほえむ時は 私も楽し〉〈あなたが笑えば 私も笑う〉という歌い出しで、すでにいろいろな人の顔が浮かんでくる。今も一緒に暮らしている愛子(このか)や大野(木野花)はもちろんのこと、公私共にお世話になった羽鳥(草彅剛)、短かったが一緒に幸せな日々を送ることのできた愛助(水上恒司)、全国津々浦々を共に巡った楽団の人たち、切磋琢磨しあった梅丸少女歌劇団(USK)のメンバー、そして「はな湯」の常連とスズ子の大切な家族。大変なこともたくさんたくさんあったが、いつもそこにはみんなとスズ子の笑顔があった。それを〈笑う門にはラッキーカムカム〉と表現するところに、いつまでも大阪弁が抜けず、そのまま正真正銘の「大阪のおばちゃん」になろうとしている今のスズ子らしさが感じられて、笑いがこぼれた。

 笠置が「ヘイヘイブギー」を歌う時、客席に「ヘーイ・ヘイ」と歌いかけ、それに対して観客が「ヘーイ・ヘイ」と唱和して返していたという。このように「ヘイヘイブギー」には自然と観客と出演者が一体となるパフォーマンスを生む力がある。

 『ブギウギ』の金曜日の放送ではスズ子の歌唱が披露されることが多い。『第7回オールスター男女歌合戦』でトリを務めるスズ子。この「ヘイヘイブギー」で一体どんなステージを見せてくれるのだろう。心がウキウキしてくる。

■放送情報
NHK連続テレビ小説『ブギウギ』
総合:午前8:00〜8:15、(再放送)12:45〜13:00
BSプレミアム・BS4K:7:30〜7:45、(再放送)11:00 〜11:15
出演:趣里、水上恒司、草彅剛、蒼井優、菊地凛子、生瀬勝久、小雪、水川あさみ、柳葉敏郎ほか
語り:高瀬耕造(NHK大阪放送局アナウンサー) 
脚本:足立紳、櫻井剛
制作統括:福岡利武、櫻井壮一
プロデューサー:橋爪國臣
演出:福井充広、鈴木航、二見大輔、泉並敬眞、盆子原誠ほか
音楽:服部隆之
主題歌:中納良恵 さかいゆう 趣里 「ハッピー☆ブギ」
写真提供=NHK
公式サイト:https://nhk.jp/boogie

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