『ゴジラ-1.0』山崎貴がアカデミー賞受賞後に語った思い 『オッペンハイマー』への言及も
会場からはノミネーション作品としてタイトルが紹介された時点から他作品以上に歓声が聞こえ、実際に受賞した際も多くの人が喜びの声をあげていた。そのことから、『ゴジラ-1.0』が多くのハリウッド人から愛されていることを実感した。本アワードで監督賞のプレゼンターとしてステージに立ったスティーヴン・スピルバーグも『ゴジラ-1.0』を絶賛する1人で、先日山崎監督と撮った写真も話題になっていた。また、今回の受賞を受けて怪獣映画の大ファンでもあるギレルモ・デル・トロ監督も喜びをツイートで表現している。
KAIJU KING + Tokusatsu = OSCAR
— Guillermo del Toro (@RealGDT) March 11, 2024
受賞後のバックステージインタビューでは、邦画初の快挙を成し遂げたことについて、日本映画業界にどんな影響を与えると思うかという質問に対し、山崎監督は以下のように答えた。
「まだそこまで実感が湧かないのですが、一つは日本の映画が海外でもある程度興行していければ日本の映画の環境は変わっていくと思いますし、僕らで変えていかなければいけないんじゃないかなって思っています。そのためにもこれからの行動がすごく重要になってくるんじゃないかなと思います」
また、『ゴジラ -1.0』が作品賞を受賞した『オッペンハイマー』の写し鏡になっているのではないかという記者の質問に対しても、以下のように答えた。
「おそらく作っている時、そういうことは全く意図されていなかったと思いますが、出来上がった時に世の中が非常に緊張した状態になっていることにはすごく運命的なものを感じます。やはりゴジラというのは戦争の象徴であったり、核兵器の象徴であるゴジラを何とか鎮めたりする話だと思うんですけど、その鎮めるという感覚を世界が今欲しているのではないのかなと、それが『ゴジラ-1.0』のヒットの一部に繋がっているのではないかと思います。それとは別に、『オッペンハイマー』に対するアンサーの映画は僕の個人的な思いとして、いつか本当に日本人として作らなければいけないんじゃないかと感じています」
監督自身が視覚効果賞を受賞するのは、『2001年宇宙の旅』でスタンリー・キューブリックが受賞して以来55年ぶりのことであり、山崎は彼に次ぐ史上2人目の受賞監督となった。