『ブギウギ』スズ子と梅吉の別れに大きな衝撃 朝ドラが描いてきた“父の死”

『ブギウギ』朝ドラが描いてきた“父の死”

 朝ドラは(基本的に)ひとりの主人公の人生を描くものだから、当然ながらそこにはさまざまな人の死というものがある。スズ子に関しては先述したとおりだ。これまでの朝ドラでも、“父親の死”というのは非常に大きく扱われてきた。それは遺される側の主人公にとって、その後の人生に影響するものだから当たり前だ。そこにはいろんなかたちのドラマ(=別れ)があった。

 近年の作品だと、2022年度後期に放送された『舞いあがれ!』におけるヒロイン・舞(福原遥)と父(高橋克典)との別れを、誰もが鮮明に覚えているのではないだろうか。世界規模での大不況により家業のネジ工場の経営が傾き、父は肉体的にも精神的にも疲弊しながら奔走するも状況は良くならず、心筋梗塞で倒れて救急搬送。助からなかった。

 あまりの急展開に心がついていくことができず、ひどい虚無感に襲われたのは私だけではないはずだ。当事者である舞の悲しみはどれほどのものだっただろうか。彼女はパイロットになる夢をあきらめ、家業を支えることになった。舞の場合は父の死が、彼女の人生そのものにも影響を及ぼしたのだ。とはいえドラマとしては、父の遺志を継承していこうと奮闘する舞の姿を描く素晴らしいものになっていた。

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 2022年度前期に放送された『ちむどんどん』のヒロイン・暢子(稲垣来泉/黒島結菜)と父(大森南朋)の別れもショッキングだった。農作業中に心臓発作を起こし、急逝。放送開始から2週目のことである。父娘の深い交流が描かれる前の別れ。あまりにも早い。早すぎる。しかし暢子や彼女を取り巻く家族たちの姿から、生前の父がどのような人物であったのかを知ることになった。

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 『ブギウギ』のスズ子と梅吉の別れはどう描かれるのだろうか。ふたりとも底抜けに明るいが、ともに情にもろい。久しぶりに梅吉の娘・鈴子としての表情を見せるかもしれない。スズ子はこれからも“ブギの女王”であり続けるが、そこに何らかの影響は生じてくるのだろう。

■放送情報
NHK連続テレビ小説『ブギウギ』
総合:午前8:00〜8:15、(再放送)12:45〜13:00
BSプレミアム・BS4K:7:30〜7:45、(再放送)11:00 〜11:15
出演:趣里、水上恒司、草彅剛、蒼井優、菊地凛子、生瀬勝久、小雪、水川あさみ、柳葉敏郎ほか
語り:高瀬耕造(NHK大阪放送局アナウンサー) 
脚本:足立紳、櫻井剛
制作統括:福岡利武、櫻井壮一
プロデューサー:橋爪國臣
演出:福井充広、鈴木航、二見大輔、泉並敬眞、盆子原誠ほか
音楽:服部隆之
主題歌:中納良恵 さかいゆう 趣里 「ハッピー☆ブギ」
写真提供=NHK
公式サイト:https://nhk.jp/boogie

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