『ブギウギ』柳葉敏郎が“ダメ親父”から復活! 梅吉の自然体な姿がスズ子の拠り所に

『ブギウギ』柳葉敏郎がダメ親父から復活

 NHK連続テレビ小説『ブギウギ』第89話では、初めての子育てに奮闘するスズ子(趣里)の元に、香川から父・梅吉(柳葉敏郎)が訪ねてくる。

 かつて2人が東京で暮らしていた日々が思い出される。妻・ツヤ(水川あさみ)とのあまりに早すぎる別れに、息子・六郎(黒崎煌代)の戦死まで重なり、かつて目指していた映画の脚本家の夢を叶えると勢い込み寂しさを紛らわせようとしていたのも束の間、梅吉はすぐに酒に溺れてしまう。「カッコ悪いお父ちゃんはもう卒業や」と言う言葉虚しく、当時スズ子に弟子入りし住み込みで梅吉の世話や家のことを任されていた小夜(富田望生)と飲み明かし騒ぐ。そうやって易きに流れようとする父親の姿はスズ子を心底がっかりさせていた。

『ブギウギ』“梅吉”柳葉敏郎の今後が心配 “果たせなかった約束”を追い求める展開に?

ヒロイン・スズ子(趣里)と梅吉(柳葉敏郎)の東京での2人暮らしが始まることになった朝ドラ『ブギウギ』(NHK総合)。  妻・ツ…

 スズ子にとっては、自分だって悲しく絶望の淵にいるのは同じで、それでも何とか踏ん張って立ち続けている。それなのに、そんな娘よりも小夜にほんの一瞬でも心を許しているかのような梅吉のことが恨めしく憎らしく思えて、馬鹿らしくもなってしまったのだろう。互いにとってたった一人の肉親なのに、寂しさからの立ち直り方があまりに違うことで分かり合えないのは歯痒く、遠くにいるように感じられてしまったのかもしれない。

 それが今や、スズ子も梅吉と同じく最愛の連れ添った人を亡くしてしまった者同士。母親を失った娘としての喪失感だけでなく、伴侶を亡くした者の心細さが痛いほどわかるのだろう。そしてそれは梅吉も同じだ。あの時は2人共に精神的にグラグラだった中、スズ子に引っ張ってもらったという気持ちが梅吉にあり、もしかすると「今度は自分の番だ」とどこかで思っているのかもしれない。

左から、花田梅吉(柳葉敏郎)、福来スズ子(趣里)

 何事にも一生懸命な娘の性質をよく知っているからこそ、梅吉なりの優しさで、ダメ父ぶり全開で「もっと気楽に」というエールを伝えにやってきたのではないだろうか。何だか今の梅吉はカラッとしていて背伸びもしていないし無理もしていない。あの当時、すっかり時計の針が止まってしまっていた人間でもこうやって何とか再起できていること。そしてそのきっかけをくれたのは紛れもないスズ子の歌だったことを直接言葉にはしなくとも、今の自分を見せることで伝えたかったのかもしれない。

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