『HiGH&LOW THE 戦国』前に必見! “沼”に落ちる『HiGH&LOW』シリーズの魅力とは?
特にアクションシーンは、毎回、圧巻である。ドニー・イェンの現場で経験を積み、映画『るろうに剣心 京都大火編』やNetflix『幽☆遊☆白書』などでもスタンドコーディネーターを務める大内貴仁がアクション監督を務め、『HiGH&LOW THE WORST X』からは鈴村正樹にバトンタッチした。『ゴールデンカムイ』も手掛けた久保茂昭監督の生み出すアイデアと、アクション監督が実現するアクションを楽しみにこのシリーズを観てきたファンも多いだろう。
各チームごとのカラーに合わせた楽曲も魅力となっており、そのイントロを聞いただけで、条件反射的にチームの映像が浮かび、ブチあがることができるようになっている。こうした楽曲があることで、上演イベントやライブ会場が一気に『HiGH&LOW』の空気に包まれ、盛り上がることができる。
また『HiGH&LOW』は、シリーズが始まる前には、出演者と脚本家が面談などをし、それぞれの素の魅力を、キャラクター作りに反映したとも言われている。映画がシリーズとして長く続く間に、演じる俳優たちが、アドリブでセリフを付け加えたり、解釈をしたうえで演じたりもすることで、キャラクターが生き物のように成長していく性質もある。
そのことで、劇中のセリフが、生き生きと語り継がれることも多い。中でも「SWORDの祭りは達磨通せや」(日向紀久/林遣都)、「どうしちまったんだよ、琥珀さん!」「MUGENは仲間を見捨てねぇ」(コブラ/岩田剛典)、「毎度!殺し屋鳳仙だす」(小田島有剣/塩野瑛久)、「いくぞてめぇら!」(村山良樹・花岡楓士雄/山田裕貴・川村壱馬)というものから、個人的に気に入っているものとして、「琥珀さん、俺、車ダメだわ……」(九十九/青柳翔)というものまで、数々のセリフが記憶に残る。
キャラクターの成長で言えば、筆者が行った「STAGE navi」vol.87の『HiGH&LOW THE 戦国』脚本・演出の平沼紀久のインタビューで平沼氏は、「本人たちのアーティスト像というものを僕らが理解して、アーティストとしてさらに上に行くために、演じる役の上で普段とは違う自分の新たな一面に気づけるようなものを提示するようにしています。1人ずつに自分の人生で壁にぶち当たったときに、どうやってそれを乗り越えるか?という『壁』を提示して、一緒に考えるというのが正しいかもしれないです」と語っている。
そんな風に、物語が単なる物語でなく、出演する俳優たちと一緒にうねりのようなものを生み出し、演じる本人たちも一緒に変化していく。そんなうねりを観客として体感していくことも、『HiGH&LOW』シリーズの最大の魅力ではないかと思える。
ドラマや映画として続いてきた同シリーズが、宝塚歌劇団とのコラボで宙組公演 『HiGH&LOW -THE PREQUEL-』として上演されたときには驚かされたが、そのことが今回の戦国時代活劇『HiGH&LOW THE 戦国』に繋がっていった。そんなこともあったからか、現代劇であった同シリーズが、戦国時代を舞台にすると聞いたときは、もはや驚くというよりは、「そうきたか!」と納得させられた。
というのも、『HiGH&LOW』シリーズは、演じる本人と劇中のキャラクターが密接に繋がっていて、徐々に変化・成長していったキャラクターを、宝塚歌劇団では、また別の人が演じている。そんな体験を通して、このシリーズ自体が、現実との「マルチバース」であるように筆者は感じていたからだ。
それは、映画『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』の主人公であるエヴリン・ワン・クワンが、彼女を演じているミシェル・ヨーのマルチバースの中のひとつとして描かれているような、そんな感覚に近いのである。
だとすれば、『HiGH&LOW THE 戦国』の中に生きた劔黄伊右衛門という人物も、演じる片寄涼太のマルチバースのひとりであり、もしもこの後、劔黄伊右衛門が現代の『HiGH&LOW』の世界によみがえったとしても、決して不思議なことではない。
本作には、宝塚歌劇団から専科の水美舞斗、瀬央ゆりあが出演。また、主演をこれまで『HiGH&LOW』シリーズに出演してこなかった片寄涼太が務め、THE RAMPAGEからは、RIKU&藤原樹&浦川翔平が出演する。
彼らが、劇中でどのような関係性を築くのかにも注目したいが、先述の「STAGE navi」の中で平沼は、「戦国時代でどう生きるかに作品として立ち向かった上で、改めて本編に突入していきたいという思いがありますね」と語っている。その言葉を聞くと、『HiGH&LOW THE 戦国』のその先の『HiGH&LOW』シリーズにも、期待が高まるというものである。
■公開情報
「ハイロー祭り!」
109シネマズプレミアム新宿にて開催
2月3日(土)17:00『HiGH&LOW THE LIVE』
2月4日(日)17:00『HiGH&LOW THE MOVIE』
2月9日(金)24:00『HiGH&LOW THE LIVE』
2月10日(土)17:00『HiGH&LOW THE MOVIE2 / END OF SKY』
2月11日(日)17:00『HiGH&LOW THE MOVIE3 / FINAL MISSION』
2月12日(月・祝)17:00『HiGH&LOW THE RED RAIN』
2月17日(土)17:00『HiGH&LOW THE WORST』
2月18日(日)17:00『HiGH&LOW THE WORST X』
2月23日(金・祝)17:00『HiGH&LOW THE MOVIE』
2月24日(土)17:00『HiGH&LOW THE MOVIE2 / END OF SKY』
2月25日(日)17:00『HiGH&LOW THE MOVIE3 / FINAL MISSION』
鑑賞料金
<CLASS S>一般 6,500円、シネマポイント会員 6,000円
<CLASS A>一般 4,500円、シネマポイント会員 4,000円
2月9日(金)『HiGH&LOW THE LIVE』のみ以下料金
<CLASS S>一般 5,600円、シネマポイント会員 5,100円
※ただし、OVERTUREサービス対象外
<CLASS A>一般 4,500円、シネマポイント会員 3,500円
販売スケジュール
各上映日の3日前0:00より109シネマズプレミアム新宿公式サイトより販売開始
109シネマズプレミアム新宿公式サイト:https://109cinemas.net/premiumshinjuku/
●入場者プレゼント
「ハイロー祭り!」オリジナルステッカー(ハガキサイズ)
■公演情報
戦国時代活劇『HiGH&LOW THE 戦国』
公演期間:1月29日(月)~2月25日(日)
会場:THEATER MILANO-Za
企画・プロデュース:EXILE HIRO
演出:TEAM GENESIS
脚本:平沼紀久、渡辺啓
衣裳:有村淳(宝塚歌劇団)
出演:片寄涼太(GENERATIONS)、水美舞斗(宝塚歌劇団)、RIKU(THE RAMPAGE)、瀬央ゆりあ(宝塚歌劇団)、藤原樹(THE RAMPAGE)、浦川翔平(THE RAMPAGE)、小野塚勇人(劇団EXILE)、うえきやサトシ、櫻井佑樹(劇団EXILE)、阿部亮平、久保田創、冨田昌則
<KADOKAWA DREAMS>※日替わりキャスト
MINAMI 颯希(SATSUKI)TSY Ryo AIRA RAIZYU syuichi MIZUHO
<RAG POUND>
SHUN(Baby Twiggz)SHOOT(Soulja Twiggz)KC(General Twiggz)……ほか出演者多数
©2023 HiGH&LOW THE 戦国 製作委員会
公式サイト:https://www.high-low.jp/stage/sengoku/