『光る君へ』吉高由里子のヒロイン力が全開! まひろ×三郎の運命が動き出す

『光る君へ』吉高由里子のヒロイン力が全開

 まひろが代筆の仕事をしていることを下女のいと(信川清順)が為時に話してしまった。烈火のごとく怒る為時にぐっとこらえるような面持ちを浮かべながらも、まひろは正直な気持ちを隠すことなく打ち明ける。

「代筆仕事は私が私でいられる場所なのです。この家では死んでいるのに、あそこでは生きていられる。いろんな人の気持ちになって歌を詠んだりする時だけ6年前の出来事を忘れられるのです」

 為時に負けず劣らず、強い語気で歯向かう様子や「父上の言うことなぞ、私は聞かない!」とそっぽを向く姿には子どもっぽさもあるが、まひろの意志の強さを表すものでもある。

 第2回で、まひろがさまざまな感情を見せる中、三郎に特別な感情を抱いているのを自覚し始めるような描写もまた印象的だ。まひろは代筆の依頼主が字を書けないことを偽っていることを知った。「うそはいずれ、あらわになってしまうと思うが……」と助言するまひろの脳裏に浮かんだのは、川べりでの三郎とのやりとりだった。三郎の言葉を思い浮かべながらまひろは依頼主へと助言する。依頼主に対して真摯に向き合うまひろの言葉が、徐々にまひろ自身の心へと向いていくさまを、吉高は言葉の核心に気づき、戸惑うような表情を見せることで表していたように思う。

 「歌は要らぬ」という三郎の言葉に、まひろは「まことの姿を見せろという意味だったのではないか?」と問いかける。「では、会えるまで通う」といった三郎を思い浮かべたまひろは胸に手を当てた。まひろは「幸運を祈っておる」と神妙な面持ちでうつむく。それは、再び三郎と会えますように、という自身の願いも込められているようだった。

 物語の終わり、まひろは三郎と再会できたものの、盗人と間違われた三郎は役所へ連れて行かれる寸前である。めぐりあった2人にはこの先どのような運命が待ち受けているのだろうか。

■放送情報
『光る君へ』
NHK総合にて、毎週日曜20:00〜放送/ 翌週土曜13:05〜再放送
NHK BS・BSP4Kにて、毎週日曜18:00〜放送
NHK BSP4Kにて、毎週日曜12:15〜放送
出演:吉高由里子、柄本佑、黒木華、井浦新、高杉真宙、吉田羊、高畑充希、町田啓太、玉置玲央、板谷由夏、ファーストサマーウイカ、高杉真宙、秋山竜次、三浦翔平、渡辺大知、本郷奏多、ユースケ・サンタマリア、佐々木蔵之介、岸谷五朗、段田安則
作:大石静
音楽:冬野ユミ
語り:伊東敏恵アナウンサー
制作統括:内田ゆき、松園武大
プロデューサー:大越大士、高橋優香子
広報プロデューサー:川口俊介
演出:中島由貴、佐々木善春、中泉慧、黛りんたろうほか
写真提供=NHK

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