『相棒』川原和久×寺脇康文の同期コンビに胸アツ 右京の人柄のあたたかさに救われる
自分で子を見捨てたのにもかかわらず、その子が死んだこと知ると逆上し、その原因となった人の子を誘拐する登紀子と、後輩も自分の子も見捨てず、登紀子の指示に従って必死に走り回る初音。同じ「母親」であっても行動から人に対する誠意の違いが浮き彫りになっていた。この対比が、より事件の犯人である登紀子の身勝手さを鮮明にしていたように思う。今にも泣き出しそうな表情をしながら子を助けるように懇願する映美くららと、同様の表情をしながらも冷徹な声を出す山下容莉枝の演技が端々で光っていた。
2つの事件が関係していて、しかも小学生の命がかかっているとなれば警察の総力戦である。化学メーカー研究員殺害事件の現場に残された下足痕の持ち主を見つけたという亀山は現場へ急行。問題の男に伊丹が声をかけ、逃げようとしたところを亀山が捕らえた。さすがは“同期コンビ”。息がぴったりである。捕らえた男から事情を聞いた右京は、亀山と伊丹を従えて家宅捜索へ。この「右京は、亀山と伊丹を従える」という構図は、これまで叶いそうで叶ってこなかった、”いつか見てみたいもの”のひとつ。真剣に仕事をする人の顔というのはどうしてこんなにもカッコよく、心が掴まれるのだろう。ずっと見ていたい一瞬だった。
「復讐の対象には自分も含まれていたのですね」と、右京は登紀子本人さえ気づいていたかどうかわからない気持ちも明らかにするように優しく声をかけた。悲しい物語の中で、ほっぺ丸のかわいさと右京の人柄のあたたかさに救われるような回だった。
■放送情報
『相棒 season22』
テレビ朝日系にて、毎週水曜21:00〜放送
出演:水谷豊、寺脇康文、森口瑤子、鈴木砂羽、川原和久、山中崇史、篠原ゆき子、山西 惇、田中隆三、松嶋亮太、小野了、片桐竜次、杉本哲太、仲間由紀恵、石坂浩二、美村里江、新納慎也、真飛聖ほか
脚本:輿水泰弘
監督:権野元
制作:テレビ朝日/東映
©︎テレビ朝日
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