『正直不動産2』ではディーン・フジオカが鍵を握る? 絶妙なバランスで描く価値観の対峙

『正直不動産2』鍵を握るディーン・フジオカ

 『正直不動産』(NHK総合)の永瀬財地(山下智久)が帰ってきた。ある時は友人や後輩を励まし、力強く背中を押す、優しい風に。また、ある時は皆が心の中で思っていても言えないことをズバリ言う、爽快な風に吹かれながら。それでもひょうひょうと、時に三枚目を演じながら、天職・不動産営業において、人々の人生と真っ正直に向き合う永瀬の姿は、2年ぶりながら、相も変わらず清々しい。

 2022年4月期に放送された『正直不動産』は、大谷アキラ(漫画)、夏原武(原案)、水野光博(脚本)による同名コミック(小学館)を原作に、根本ノンジが脚本を手掛けたビジネスコメディドラマである。『ハコヅメ~たたかう!交番女子~』(日本テレビ系)や、直近では『パリピ孔明』(フジテレビ系)、さらには2024年後期の朝ドラ『おむすび』(NHK総合)の脚本を手掛けることが予定されている根本ノンジの脚本の良さが印象的なドラマでもあった。Season2である今回の脚本は、根本ノンジ、清水匡、木滝りまの3人体制とのこと。楽しみである。

 次に、何と言っても魅力的なのは俳優陣で、主人公・永瀬財地を演じる山下智久のコメディセンスの素晴らしさはもちろんのこと、永瀬が尊敬する上司・登坂社長を演じる草刈正雄、1月3日に放送された『正直不動産スペシャル』においても柔らかい佇まいが素敵だった、和菓子職人・石田を演じる山崎努というベテラン勢の重厚さも素晴らしい。山下/永瀬の「軽み」のある演技と対比的に組み合わさって、ドラマ全体が絶妙な塩梅に仕上がっている。

 また、忘れてはならないのが、福原遥、泉里香、倉科カナら、女性陣の魅力である。特に、朝ドラ『舞いあがれ!』(NHK総合)、『18/40~ふたりなら夢も恋も~』(TBS系)を経て戻ってきた福原が、スペシャル版で、時に先輩・永瀬を越えるほどの営業成績を誇り、これまでよりも少し強くなったように見える月下咲良を演じていること。俳優自身の変化を目の当たりにするようで、そういった意味でも興味深い。

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