『ブギウギ』は芸能界の裏側を映し出す スズ子にとって梅丸はどんな存在だったのか? 

朝ドラ『ブギウギ』は芸能界の裏側を映し出す

 エンターテイナーであるスズ子(趣里)の大切な居場所であり、生きる糧であった「梅丸楽劇団(UGD)」がついに解散してしまった。時代が時代なのだからしょうがないという見方はできるものの、彼女を応援してきた私たちとしてはやはりやりきれない。

 昭和のショービズの世界を描いている朝ドラ『ブギウギ』(NHK総合)は、華やかな芸能の世界の“裏側”を映し出している作品でもある。これは現在にもつながる芸能史を描いたドラマなのだ。

 楽劇団の解散というと、なかなかピンとこない人もいるかもしれない。けれども「UGD」を各々の職場に置き換えてみればピンとくるはず。スズ子は歌って踊るのが仕事。戦時下という時代において彼女は職を追われるかたちとなるわけだ。

 この令和の時代においても似たような経験をした人々は数多くいる。コロナ禍によって経営が傾いた企業や閉店を余儀なくされた飲食店、演劇や音楽などのエンターテインメントは“不要不急”なものとみなされて活動自粛をせざるを得なかった。どれも記憶に新しく、現在進行形で苦しんでいる存在もある。

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NHK連続ドラマ小説『ブギウギ』が始まった。「東京ブギウギ」で知られる歌手・笠置シヅ子をモデルにした主人公・花田鈴子=福来スズ子…

 そして同時にこの数年が、エンターテインメントの偉大さを痛感する機会ともなった。スズ子のモデルである笠置シズ子は戦後の日本を元気づけた存在。『ブギウギ』でもこの点が力強く描かれるはずである。

 ではこれからしばらくのスズ子はどうなるのだろうかーー。そう、現在の彼女は所属先がない。つまりはフリーランスだ。

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