石原さとみ×シリアスドラマの相性は最高! 『Destiny』は心に残るシーンの多い作品に?

石原さとみ×シリアスドラマの相性は最高!

 本作の脚本を担当する吉田は、登場人物の人間性を細やかに描き、人との交流の中で生まれる楽しい瞬間はよりキラキラと、ほろ苦い瞬間も余すことなく表現できる脚本家である。山崎育三郎が主演を務めた『リエゾン -こどものこころ診療所-』(2023年/テレビ朝日系)では、発達障がいであるADHDのある研修医・志保(松本穂香)が、かつて映画館で一緒にバイトしていた仲間たちに自分に発達障がいがあることを打ち明ける場面がある。志保の言葉に彼らは、「失敗をみんなでフォローしていたのは昔のことで、多かれ少なかれ、みんな失敗するのだからあまり気にしなくていい」と優しく声をかける。だが、並々ならぬ決意を持って仲間に告白をした志保は、自分の気持ちをうまく汲み取ってもらえないどころか、当時失敗しないように努力していたことさえも否定されたように感じてしまい、落ち込んでしまう。志保もバイト仲間も思ったことを素直に、しっかり言葉を選んで伝えているし、悪いところがあったわけではない。それでも人と人はこうしてすれ違ってしまうことがある。

 このように小さいけれど、いろいろな意味で心に残っていく光景を吉田は逃さないのだ。本作について石原は、「主人公・奏をはじめ、全キャラクターの生い立ちから現在に至るまでが細かく書かれていました。それぞれの人間性が良く分かり、全体感も把握でき、先の展開の内容の濃さに大変驚きました」とコメントを寄せている。学生4人の青春時代とそれ以降のやや仄暗さが残る現代が描かれる本作は、吉田の手腕が存分に発揮される作品となることが期待される。

 また、恋愛ドラマにおいて天真爛漫ぶりを発揮して男性を振り回すようなイメージもある石原だが、実は『アンナチュラル』(2018年/TBS系)に代表されるような「石原×シリアスドラマ」の組み合わせは最高だ。ちょっと切ない表情を浮かべながら発せられる淀みない言葉たちは、より切実にこちらに響いてくるのだ。検事といえば、正義感を持ち、徹底した論理思考と追及で、事件とその容疑者に向き合っていくもの。クールで言葉にキレのある石原の姿が見れるかもしれない。そう思うと今からとてもワクワクしてくる。

■放送情報
『Destiny』
テレビ朝日系にて、2024年4月スタート 毎週火曜21:00~21:54放送
出演:石原さとみ
脚本:吉田紀子
監督:新城毅彦、星野和成、中村圭良
音楽:得田真裕
ゼネラルプロデューサー:中川慎子(テレビ朝日)
プロデューサー:浜田壮瑛(テレビ朝日)、森田美桜(AOI Pro.)、大古場栄一(AOI Pro.)
制作協力:AOI Pro. 
制作著作:テレビ朝日
©︎テレビ朝日
公式サイト:https://www.tv-asahi.co.jp/destiny/
公式X(旧Twitter):https://twitter.com/Destiny_tvasahi/
公式Instagram:https://www.instagram.com/destiny_tvasahi/

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