川口春奈、吉岡里帆、石原さとみ、北川景子 4月期ラブコメで輝きを放ったヒロインたち

4月期ラブコメ、ヒロインを演じた女優たち

 4月クールはラブコメ作品が豊作の3カ月だった。際立ったのは、これまでとは一風変わった恋が描かれたことだろう。そこで輝きを放ったのが、ヒロインたちの凛とした姿。『恋はDeepに』(日本テレビ系)では石原さとみが人魚であることを匂わせるエキセントリックな設定の役柄を演じ、『着飾る恋には理由があって』(TBS系)での川口春奈はインフルエンサーというトレンド感あふれる仕事をしている。『リコカツ』(TBS系)では北川景子が離婚に向けて活動する“リコカツ”に奮闘するなど、個性が光るキャラクターを実力のある女優たちが熱演してきた。今回は上記の作品に加え、『レンアイ漫画家』(フジテレビ系)で天真爛漫なヒロインを演じた吉岡里帆にも言及しつつ、自分の人生を力強く切り拓くヒロインたちの姿について論じていきたい。

大河ドラマの帰蝶役でも見せた頼もしい芝居をラブコメに活かす川口春奈

 企業の広報でありながら、自身もインフルエンサーとして活躍する真柴くるみを演じるのが川口春奈だ。ドラマの中だけでなく現実のInstagramでも、くるみのアカウントが開設され、そこには川口が衣装を着た写真が掲載されている。また劇中で着用した服は「Rakuten Fashion」との連動により一目で商品がわかるようになっているなど、現実世界をうまく巻き込んだプロモーションも注目を集めている。そんな川口演じるくるみは、意中の相手である駿(横浜流星)にはっきりと自分の気持ちを伝えられる芯の強さを持ち、インフルエンサー業務だけでなくそれ以外の仕事も手を抜くことなく一生懸命突っ走る努力家な一面が魅力のキャラクターだろう。待つだけのヒロインではなく、葉山にも駿にも自分のスタンスをはっきり伝え、自分のやるべきことにも手を抜かない“自立”した姿が印象的だ。NHK大河ドラマ『麒麟がくる』で織田信長の正室・帰蝶を演じ、凛々しく頼もしい芝居で注目を集めた川口は、またしてもパワフルな役で視聴者に元気を届ける。太陽のような笑顔で恋も仕事も努力する姿が眩しいヒロインだ。

ド直球な素直さが魅力、刈部との“対等”を勝ち取った吉岡里帆

『レンアイ漫画家』(c)フジテレビ

 序盤から“対等”がキーワードになっていた『レンアイ漫画家』では、ストイックで人間嫌いな刈部(鈴木亮平)にも臆さず突っ込んでいける天真爛漫なヒロインの力が作品の魅力を引き出した。彼氏なし、お金なし、住む場所さえなくなってしまった上に、必ずダメ男に引っ掛かるという“難あり”なヒロイン・あいこだが、蓋を開けてみれば刈部に真っ直ぐに愛を伝え、生活面でもしっかり者な一面を見せる。吉岡が演じるあいこは、ユーモラスな芝居の中にも愛らしさが溢れ、恋愛に真摯であることがはっきりとわかるストレートな愛情表現で多くの人の心を掴んだ。内気な刈部に対して積極的に愛を伝え、男性からのリードに頼らずに二人で関係性を築いていく姿は『着飾る恋には理由があって』のくるみ同様に頼もしいヒロイン像として映る。コメディエンヌとしての力量も見せながら、ヒロインらしさも忘れないバランス感覚に優れた芝居は、今後も吉岡の武器となるだろう。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「国内ドラマシーン分析」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる