朝ドラ『ブギウギ』“異例の畳み掛け”展開の理由をCPに聞く 新納慎也の起用意図も
NHK連続テレビ小説『ブギウギ』が現在放送中。“ブギの女王”と呼ばれる笠置シヅ子をモデルに、大阪の銭湯の看板娘・花田鈴子=福来スズ子(趣里)が戦後のスターへと上り詰めていく姿を描く。
第23話のラストには、東京の梅丸楽劇団(UGD)から視察に来た外国帰りの演出家・松永大星役で新納慎也が初登場。第24話では、梅丸少女歌劇団のステージを観劇して「ブラボー、ファンタスティック、マーベラス、アメイジング!」と劇団員を大絶賛。スズ子にウインクし、「グッドラック!」と軽やかにその場を後にするというわずかな時間の中で、抜群の存在感を放った。
制作統括の福岡利武は「初めてお仕事させていただきますが、とても魅力的な方で、以前からご一緒したいなと思っていました」と新納の印象を明かし、「最初にお会いしたときに『こんなに僕の魅力を引き出してくれる台本をいただいて、本当に嬉しいです。これ、当て書きですよね?』とおっしゃっていました」と振り返る。
「『当て書き』と言いたいところでしたが(笑)、当て書きではないんです」としながらも、「おそらく脚本の足立(紳)さんも、想像以上にハマったなと思われていると思います。本当に細かいところまで、新納さんにしかできない表現を完璧にしてくださっている」と信頼を寄せ、「とても明るく素敵な方で、『現場に来るのが楽しみすぎる』と。趣里さんとも楽しそうにお喋りしていらっしゃいます」と話した。
新納が演じる松永は、スズ子の才能を見出して羽鳥善一(草彅剛)に紹介するキャラクター。UGD旗揚げ公演の演出を担う役どころでもあるだけに、“東京編”でのスズ子との掛け合いにも注目したい。
一方で、物語はスズ子が尊敬してやまない大和礼子(蒼井優)の死という衝撃の事態を迎えた。思えば第5週は、自身の出生の秘密にはじまり、スズ子にとって畳み掛けるようにつらく、苦しい展開が続いている。
福岡は「通例でいくと、(“出生の秘密”と“大和の死”を)別週に分けると思います。でも足立さんは、次から次へと問題が解決しないまま、次の出来事が起こっていくストーリーを好まれた。台本作りはすごく難しいですが、僕自身もそのほうが好きですし、リアルなんじゃないかなと。実際の人生も、問題が起こるときにはどんどん起きますし、解決なんてしないまま生きていくものですから」とその狙いを明かす。