『力の強い女カン・ナムスン』2つの物語が動き出す 互いに惹かれ合うナムスンとヒシク

『カン・ナムスン』2つの物語が動き出す

 一方、ナムスンの母グムジュも麻薬撲滅のために暗躍しており、ドゥーゴーのシオに近づくために画策をしていた。帰宅したナムスンから、ドゥーゴーで配達員として働きながら、麻薬捜査の手伝いをしていると聞かされたグムジュは、「全てが運命よ、平凡には生きられない、世界を救うのよ。私たちで」と言い、ナムスンは「分かった、私にならできる、自信がある」と答えるのだった。

 シリアスになっていく麻薬捜査のストーリーと並走するのが、ナムスンとヒシクの恋だ。素直な気持ちを表すナムスンと、天真爛漫なナムスンに戸惑うヒシクの様子がとてもかわいい。ナムスン一族の怪力遺伝子は、22歳の時に最も活性化するため急いで結婚相手を探す必要があるという。ナムスンはちょうど22歳となり、ナムスンの母グムジュもヒシクがナムスンに好意を持っていることに気づき、「早くベッドインさせたくて焦ってます」とヒシクを見定めにやってくる。ここのヒシクとグムジュのやり取りに思わず笑ってしまう。「早くベッドインさせたくて」と言われたヒシクの顔がおかしくてたまらない。“普通”が通用しないところがナムスン一族の面白いところだ。

 当のナムスンとヒシクも互いに好意を抱いており、ドゥーゴーにヒシクが来たときに満面の笑みで「会いたかった」というナムスン。言われたヒシクはここでも動揺し「何だよ昨日も会ったぞ」と答える。そんなヒシクに「でもすぐ会いたくなるの」と極上の笑顔を見せるナムスンがなんともかわいい! スーパーヒロインであるナムスンが、警察官として男らしさにこだわる様子も見せるヒシクを“お姫様だっこ”して走るシーンでは、ヒシクが死んだ魚の目をして抱かれているのがなんともおかしい。2人の恋が今後どんどん進展していくのが楽しみでならない。

 明るいラブストーリーと麻薬捜査が並走しながら進む中で、ナムスンの双子の弟ナミン(ハン・サンジョ)に恐ろしい魔の手が伸びつつあり、なんとも不穏だ。ナムスンばかりをかわいがるグムジュに不満を爆発させ、家から出て行くことを決意したナミン。もしもナミンが飲んだ怪しい薬が麻薬だったら……とハラハラしてしまう。兄弟姉妹間の愛情格差も描かれ、コメディ、恋愛、サスペンス、ヒューマンと盛りだくさんの物語の今後を楽しみに追っていきたい。

■配信情報
『力の強い女 カン・ナムスン』
Netflixにて配信中
出演:イ・ユミ、キム・ジョンウン、キム・ヘスク
原作・制作:ペク・ミギョン、キム・ジョンシク、イ・ギョンシク
(写真はJTBC公式サイトより)

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