ペ・スジ、初恋のヒロインから孤高の存在へ ハマり役『イ・ドゥナ!』で見せる光と影

ペ・スジ、『イ・ドゥナ!』で見せる光と影

 人気女優のペ・スジが主演する韓国ドラマ『イ・ドゥナ!』がNetflix配信されている。本作は、若者たちの繊細な恋を描いたウェブトーンを原作に、大ヒット作『愛の不時着』のイ・ジョンヒョが監督を務めたラブロマンスだ。

 イ・ドゥナ(ペ・スジ)は、K-POPガールズグループ“ドリームスイート”でメインボーカルとして活動していたが、人気絶頂のなか突然の引退宣言を行い、大学に復学するためシェアハウスでひっそりと暮らしていた。一方、平凡な大学生イ・ウォンジュン(ヤン・セジョン)は、引越し先のシェアハウスで偶然、ドゥナとルームメイトとなり、ふたりの交流が始まる。

 芸能界という特殊な世界から離れて、闇を抱えながら殻に閉じこもりシェアハウスでひたすらタバコをスパスパと吸うドゥナ。父を亡くし、働き詰めの母と病気の妹がいる実家から離れて暮らすことに罪悪感を覚えながら、ただ普通に暮らせればいい、と願う実直なウォンジュン。ふたりが訪れた店でひいたフォーチュンクッキーの予言が暗示する未来のように、異なる世界と価値観を持つ男女がどのような結末を選ぶのか。ある意味、リアルな恋模様を描いている。

 本作の配信前から、自身も元ガールズグループ“miss A”出身という点から、ドゥナ役を演じることが話題を呼んでいたスジ。『浪漫ドクター キム・サブ』でデビュー後、地上波初主演作となったドラマ『愛の温度』でソ・ヒョンジンとの年上女性×年下男性の一途な恋を見せ数々の新人賞を受賞し、本作が除隊後の復帰作となったウォンジュン役のヤン・セジョン。そんなふたりのラブストーリーは、甘酸っぱくも、ほろ苦い。

 もっとも、『イ・ドゥナ!』を魅惑的なストーリーとして成立させたのは、スジの圧倒的な魅力があるからこそのこと。1994年10月10日生まれのスジは、2PMやTWICE、現在はNiziUなども所属するJYPエンターテインメントより、2010年にmiss Aのメンバーとしてデビュー。翌年、芸能界が舞台の学園ドラマ『ドリームハイ』で女優デビューも果たし、主人公を熱演、KBS演技大賞の新人賞を受賞した。同作には、IU、キム・スヒョン、オク・テギョン(2PM)ほか豪華な面々が出演しているが、スジをはじめ出演者の演技はエネルギーにあふれている。2012年には、コン・ユ主演ドラマ『ビッグ ~愛は奇跡<ミラクル>~』で、パワフルな高校生役を好演していたスジ。

 こうしてドラマにも進出する一方、同年に映画『建築学概論』でヒロイン役を演じ、第48回百想芸術大賞の映画部門で新人賞、第33回青龍映画賞の人気スター賞などを受賞し、映画が大ヒットしたこともあり一気に女優としての認知度アップと高評価を獲得した。同作は、映画『SEOBOK/ソボク』などのイ・ヨンジュ監督が実際に建築士だったことも影響しているストーリーだが、ハン・ガイン演じるソヨンの大学時代を演じたスジを見て、青春時代を振り返った多くの男性は初恋を彷彿とさせ、「国民の初恋」と呼ばれるほどの人気も手にしたのだった。

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