朝ドラ『ブギウギ』に草彅剛が登場! 役に馴染む“浸透度の高さ”は羽鳥役にも活かされるか

『ブギウギ』草彅剛の佇まいに感じる親近感

 朝ドラ『ブギウギ』(NHK総合)のヒロイン・スズ子(趣里)にとって運命的な男性でキーパーソンとなる作曲家・羽鳥善一(草彅剛)が登場する。

 本作が朝ドラ初出演となる草彅だが、演じる羽鳥のモデルとなったのは国民栄誉賞を受賞した作曲家・服部良一で、笠置シヅ子が「ブギの女王」と呼ばれ広く親しまれるきっかけとなった代表曲「東京ブギウギ」を彼女に提供した張本人だ。実際の2人も二人三脚で芸能史に名を刻んだ名コンビとして知られる。その他にも「青い山脈」、淡谷のり子が歌いヒットを飛ばした「別れのブルース」など数々の名曲を世に送り出した。

『ブギウギ』草彅剛の“見えない苦労”に注目 朝ドラヒロインの師匠役が担う役割

趣里が主演を務めるNHK連続テレビ小説第109作目『ブギウギ』に草彅剛が出演することが発表された。草彅はヒロインの鈴子(趣里)を…

 羽鳥は、上京したスズ子の才能に惚れ込み、彼女を鍛え上げ、一流の歌手へと成長させていく重要人物となる。第4週の予告に登場した際には、上機嫌で何かを口ずさみリズムをとる楽しげな様子が映り込んだ。その一瞬でも、彼にとって音楽がいかに身近なもので、常に音に囲まれて生きているのかが伝わってきた。

 草彅といえば、役にスッと馴染むその浸透度の高さが魅力だ。実に幅広い役どころを演じているにもかかわらず、どの役柄とも距離の近さを感じさせる。かなりハードな事態を抱えた役どころでも自身とは全くの別人になりきって役に憑依するというよりは、役が感じる痛みを草彅は自分の中から引きずり出して見せる。だから、オーバーリアクションとは全く対極のところにいながら、草彅のその静かな佇まいはリアルで、観る者が同じく自分の痛みとしてその役柄を手繰り寄せる際に全く邪魔をしない。余計な脚色がない分、喜怒哀楽の4つにはっきりと分けられた感情だけでない、その間にたゆたう言葉にならぬ機微をそのまま伝えてくれる。だからこそ、激動に巻き込まれる役どころにも抜擢されるのだろう。

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