『ONE DAY』徐々に明かされる“誠司”二宮和也の過去 レストラン編が物語の緩衝材の役割に
10月23日に放送された『ONE DAY~聖夜のから騒ぎ~』(フジテレビ系)第3話は、午前9時から午前10時4分までの1時間強、すなわちほぼリアルタイムに近い物語が展開する。第1話が7時間半、第2話が1時間半だとすれば、徐々に短縮傾向にあるわけだが、すなわちそれだけ重要な情報がいくつも詰まっているとも考えることができる。少なくとも今回のエピソードにおいては「逃亡者編」と「地方テレビ局編」がつながろうとしていたこと、前者の主人公たる誠司(二宮和也)の過去が見え始めていることが大きなポイントだ。
かつて会ったことがある“天樹勇太”のゆくえを調べる桔梗(中谷美紀)は、彼が大学3年生のときに家庭の事情を理由に退学していたことを知る。一方で誠司はミズキ(中川大志)に連れられて訪れた雑居ビルの怪しげな診療所で、持ち前の記憶力の良さを試される。その頃、かつて天樹勇太が暮らしていた場所に行ってみた桔梗は、18年前にそこで自殺があったと知らされる。かつてそれを調査したことがあると思い出した彼女は、局にいる査子(福本莉子)に頼み、当時の取材メモを送ってもらうのである。
その取材メモに記されていたのは、天樹悟という名の巡査部長が18年前に自殺していたということ。その数カ月前に天樹悟は、飲食店で刃物を持って暴れていた男に威嚇のために拳銃を向け咄嗟に発砲してその男を殺してしまう。正当防衛として刑罰を免れたものの、人を殺したという罪の意識に苛まれて精神を病んでしまった可能性があるという。その時に第一発見者となったのが、当時大学3年生だった息子の天樹勇太。まだ確定してはいないにしろ、おそらくそれが誠治の過去というわけだ。
その誠司は今回、逆行性健忘(発症以前の記憶が失われてしまう記憶喪失のことである)の場合、なにかのきっかけで思い出す可能性があると聞かされ、ミズキからいろいろと過去の話を聞かされる。そのなかでミズキは誠治の左肩に傷があると言い、以前バーでナイフを振り回した客から身を挺してミズキを守ったことがあるというのだ。この話は、先述の天樹悟の自殺の原因となった事件と重なるシチュエーション。すなわち誠司=天樹勇太であるとすれば、父親と息子が同じような状況に立たされたときに同じ行動をしていたということだ。必然的に父親になにがあったのかを知っていれば、この出来事は少なからず誠司に何らかの影響を及ぼしたのではとも推測できる。
ところで今回の「レストラン編」は、完全に我が道を進む。時生(大沢たかお)が自分で寸胴をひっくり返したことをうっかり明かしてしまい、ギクシャクとしていた葵亭。今回はそこからいかにしてクリスマスディナーに来た客にデミグラスソースを使った料理を“頼ませない”かを画策し、シミュレーションまで重ねていくのである。そのなかで明かされる、菊蔵(栗原英雄)が葵亭で働くことになった経緯と、来店客に食事を楽しんでもらいたいという彼らの熱意。それが示された矢先に、冷蔵庫のコンセントが抜けていて食材が全滅。完全にドタバタコメディとして、ミステリー2編の狭間の緩衝材の役割をはたしていたといえよう。
■放送情報
『ONE DAY~聖夜のから騒ぎ~』
フジテレビ系にて、毎週月曜21:00~21:54放送
出演:二宮和也、中谷美紀、大沢たかお、江口洋介、佐藤浩市
【逃亡編】中川大志、松本若菜、中村アン
【地方テレビ局編】福本莉子、小手伸也、加藤諒、大水洋介、丸山智己、梶原善
【レストラン編】桜井ユキ、井之脇海、今井英二、栗原英雄
脚本:徳永友一
企画・プロデュース:成河広明
演出:鈴木雅之
主題歌:ミイナ・オカベ「Flashback feat. Daichi Yamamoto」
©︎フジテレビ
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