二宮和也が語る、『ONE DAY』大沢たかお&中谷美紀との初共演 「下手なことはできない」
10月9日より放送がスタートするフジテレビ月9ドラマ『ONE DAY~聖夜のから騒ぎ~』は、人々が思い思いに過ごすクリスマスイブという“たった1日”の出来事を1クールかけて描く、謎と愛と奇跡の物語。二宮和也、中谷美紀、大沢たかおがトリプル主演を務め、3人の物語が同時進行していくということで、視聴者から「どんな物語になるのか」と注目を集めている。
今回は主演の1人として、記憶喪失の逃亡犯・勝呂寺誠司を演じる二宮にインタビュー。3つのストーリーが同時進行する物語のおもしろさや、中谷、大沢への印象などを語ってもらった。
ひたすら走ったクランクイン初日
――クランクインした日の感想を教えてください。
二宮和也(以下、二宮):走っているだけだったので「疲れたな」って思いました。今回はスタッフの人たちも、知らない仲じゃない人たちが多いので、テンポよく進むようにしていけたらいいなと思っています。というのも、僕の撮影が終わったとしても、スタッフさんはその直後から別の軸の撮影が始まったりするので。なるべくペースは守ってやっていきたいです。
――いよいよ始まったなという感覚はありますか?
二宮:うーん……まだ実感していないです。誰かと一緒に演じてみないことには、どういうふうになっていくのかがわからないので。
――二宮さんが演じる役は記憶喪失の逃亡犯ということですが、どんなキャラクターだと受け止めていますか?
二宮:僕はオチまで知っているので、それに準じてやっています。物語の進行上、どこまで視聴者の方に寄り添ってやっていくかということと、もし裏切るんだったら、どこでどうしようかということを考えて作っていかなければいけないのかなと感じています。無下に裏切りたいわけではなく、意味合いをもって、視聴者の方が気持ちよく観られるところを見つけながら作っていけたらいいなと思っています。
――役作りのために準備されたことはありますか?
二宮:基本的にはないです。フラットにいます。おそらく物事に対して驚くとか喜ぶとか悲しい怒るとか、そういうのはたぶんないんじゃないかなって思っていますし、言っているのが本当なのか嘘なのかわからないところから始まっていくので、他のふたつの物語との対比をどこまで出せるかということのほうが重要になるんじゃないかなと思っています。
3軸楽しめるためにも「逃亡編をちゃんと仕上げたい」
――1日を1クールで描くということが話題にもなっています。脚本を読まれての感想を教えてください。
二宮:3つの話が同軸で進んでいくので、うまく伝わったらおもしろくなるんだろうなという感じはしましたね。ただ、視聴者の方も、案外1日で起きる3つの話を見るという感じがしないんじゃないのかなとも思います。だからこそ、自分たちが任されている「逃亡編」をちゃんと仕上げていくのが重要なんじゃないかなと思います。
――それぞれの物語のカラーが出てくるということですか?
二宮:出てくると思いますね。撮る人よりも観る人の方が大変かもしれないなと思っています。観るものが3倍あるわけだから、こんがらがりそうだなって。
――なるほど。その中で二宮さんパートのポイントは、どういう部分になってくるのでしょうか?
二宮:僕のパートに限らず、説明をどこまで減らせるかは大事になってくると思います。3つの軸があって、毎週1時間しかない中で同時進行していくわけですから。説明だけで終わっちゃうと「何がやりたかったんだ」って話になっちゃうかなと。ただ、説明しなさ過ぎるとワケがわからなくなってしまいそうなので、そこのバランスをうまく調整するのが課題になってきそうです。
――具体的にどのように調整しているのでしょう?
二宮:記憶喪失の人が実際どのような感覚なのかを先生に教えていただきました。ただ、それをそのまま演じたところで観ている人たちの記憶喪失にハマるかというと、僕はハマらないんじゃないかなと思ったんですね。だから、「あ、この人、記憶喪失なんだ」ってわかるような動きをしたいなと思っています。
――そのようなお芝居は、鈴木雅之監督とすり合わせたりも?
二宮:監督とは何度もご一緒しているというのもあって、「このほうがいいんじゃないか」というのも話しやすいし、それに対して「ああ、そうなんだ。わかった、じゃあそうしよう」「それはそのあと全然違うことになるからダメ」っていうのをはっきり言ってくれるので、疑問に思ったところは毎回、投げかけていけたらと思います。
――今回は、原作のないオリジナル作品ですが、オリジナル作品ならではの楽しさや難しさはありますか?
二宮:脚本家の方であったり、監督やプロデューサーなど、生み出す人は大変だと思いますけど、僕自身はそこまで大変だとは思っていなくて。原作があるものもオリジナル作品も一緒かなと。原作があろうがなかろうが観てくださる人たちの感情をちょっとでも動かすことができたら、僕はエンタメとしていいのではないかと思います。
――二宮さんとしては、原作があってもなくても変わらないんですか?
二宮:基本的にはそうですね。別に僕は再現ドラマを撮るつもりはないので、原作があってもそこを忠実に再現することにあまり重きを置いていないです。いつもと変わらずにやっていきたいと思います。