『うちの弁護士は手がかかる』ドスのきいた声で睨むムロツヨシに戦慄 渡邊圭祐の名演も

『うち弁』ドスのきいた声で睨むムロツヨシ

 ムロツヨシ主演ドラマ『うちの弁護士は手がかかる』(フジテレビ系)が、10月20日に第2話を迎えた。

 第1話にて、何がなんでも裁判に勝つことにこだわる天野(平手友梨奈)のスタンスに、蔵前(ムロツヨシ)が何気なく疑問を持つシーンがある。香澄法律事務所の屋上で「法律こそ弱者が戦える唯一の手段なんです」と天野は返答するが、そこで彼女の脳裏にフラッシュバックする中学校時代の記憶が、今回の第2話に繋がる大切なピースだった。

 依頼人は若宮円(渡邊圭祐)の母・若宮翔子(有森也実)。円は天野の中学校時代の同級生で、同じクラスメイトで現在は動画配信者の合田修吾(曽田陵介)からいじめに遭ったことが原因で不登校になり、それから7年もの間、彼は一度も外に出られていなかった。

 円の口から明かされるいじめは、聞いているこちらもメンタル的にやられそうになる陰湿なものだ。「葬式ごっこ」と題されたそれは、先生までもグルになったクラスぐるみのいじめで、天野の不在を狙った計画的な犯行。後日いじめに気づいた天野が教壇に立ち「れっきとした犯罪」だと必死に訴えるものの、先生になだめられてその場は終わってしまっていた。多勢に無勢。天野にとってもその出来事は悔しさが残る、弁護士としてだけでなく、言わば彼女にとっての乗り越えなければいけない過去でもある。

 同窓会会場であり、いじめが行われた事件現場にて、いじめを立証する当時のやり取りと若宮本人の想像を絶する憎しみの感情が加害者たちにぶつけられる。あごから滴り落ちるほどの大粒の涙を流す、我を忘れた無我夢中の叫び。渡邊圭祐の芝居に心を打たれた。

 そして加害者にトドメを刺すのは、第1話同様、蔵前である。若宮は合田らを訴えないと決めた。そこには螺旋のように続いていく復讐の恨みを自分で止める、我慢をするという強い意思がある。教室に響く怒号よりも、机を拳で叩き始め、「分かんのかよ」とドスのきいた声で合田を睨みつける蔵前が何倍も怖い。

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