本多忠勝、森長可、真田信繁、結城秀康ら、“槍の使い手”から『どうする家康』を紐解く

“槍の使い手”から紐解く『どうする家康』

 最後に、今後登場するであろう人物たちについても、少し見ていくことにしよう。まずは、秀吉の盟友であり、その後は、家康と共に「五大老」のひとりとなって、豊臣政権の中枢を担っていく前田利家(宅麻伸)だ。

 このタイミングでの登場ということで、実際に槍を持って戦うシーンはなさそうだが、若い頃は「槍の又左」の異名を持つ武将として、信長直属の使番である精鋭部隊「赤母衣衆」に属するなど、武功で鳴らした人物だ。そして、すでにドラマの中ではチラリと登場しているけれど、その見せ場はドラマの終盤に訪れるであろうことが大いに期待される真田信繁(日向亘)。

 父・真田昌幸(佐藤浩市)譲りの知将であると同時に「大千鳥十文字槍」の使い手としても知られる彼が、真田家のトレードマークである「赤備え」に身を包み活躍するシーンは、いつ頃観られるのだろうか。あるいは観られないのか。

 さらにもうひとり、個人的に気になっているのは、家康の次男でありながら、側室・お万(松井玲奈)の子であるがゆえ、秀吉のもとに養子(実質的な人質)に出されてしまった「於義伊(おぎい)」の存在だ。その後、秀吉のもとを離れて、東国下野の名門・結城家の養子となり、「結城秀康(岐洲匠)」を名乗るようになる彼は、養父・結城晴朝が作らせたという全長210センチ、穂先が138センチもある異形の槍「御手杵(おてぎね)」を譲り受けることになるはずなのだ。家康の血を引きながら、ひとり数奇な運命を辿ることになった彼が、「天下三名槍」のひとつである「御手杵」を手にするシーンは、果たして観られるのだろうか。

 いずれにせよ、後世に伝わる「槍の使い手」たちと、今も残るその「得物」に注目しながら『どうする家康』を観ることも、また一興なのではないだろうか。

■放送情報
『どうする家康』
NHK総合にて、毎週日曜20:00~放送
BSプレミアム、BS4Kにて、毎週日曜18:00~放送
主演:松本潤
脚本:古沢良太
制作統括:磯智明
演出統括:加藤拓
音楽:稲本響
写真提供=NHK

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