『呪術廻戦』「渋谷事変」に立ち向かう虎杖悠仁 第1期を通して得た呪術師としての自覚

『呪術廻戦』第1期が描いた虎杖悠仁の成長

 映画館での事件から七海と行動を共にしていた虎杖は、彼から“呪術師”として生きる姿勢を学んだ。少年院の事件では、特級呪霊と対敵して「痛い」「つらい」「嫌だ」「逃げたい」と心の中で叫び、泣きながら宿儺の指を拾って食べたことを後悔していた虎杖。あれだけ快活で、目の前に現れた呪霊にも臆することなく前だけを向いていた彼が初めて漏らした弱音であり、そこで自分自身の弱さを自覚した。それが最初の精神的な成長だったように思える。その後、五条から与えられた秘密の地下室で呪力操作の特訓に励み、呪術師として強くなろうとしていた虎杖だったが、彼が本当の意味で強くなったのは、順平の死を経て「正しい死」に対して疑問を抱いたことにある。

 漠然とただ、正しいことをしようとしていた虎杖。16歳という若さ故に曖昧な正義感を持つことは、何も不思議ではない。しかし、“正しさ”とは一体なんなのか。その“正しさ”がわからない前提で、それでも考え続けていくこと。その重要性に気づけたのは、人生の先輩である七海が「そんなこと、私にだって分かりませんよ」と彼の疑問に即答してくれたからではないだろうか。歳を重ねても、わからないことがある。正解がないことを知った虎杖は、正しさがわからないならせめてわかるまで、そして真人と宿儺を殺すまで、呪術師としてその問いに向き合うことを決意した。そんな“生き様”を揺るがせてしまうような体験が、10月31日の渋谷で彼を待っている。

■放送情報
『呪術廻戦』第2期
MBS/TBS系にて、毎週木曜23:56~放送
「渋谷事変」編:8月31日(木)〜放送
キャスト:榎木淳弥、内田雄馬、瀬戸麻沙美、中村悠一、島﨑信長、櫻井孝宏、諏訪部順一原作:『呪術廻戦』芥見下々(集英社『週刊少年ジャンプ』連載)
監督:御所園翔太
シリーズ構成・脚本:瀬古浩司
キャラクターデザイン:平松禎史、小磯沙矢香
副監督:愛敬亮太
美術監督:東潤一
色彩設計:松島英子
CGIプロデューサー:淡輪雄介
3DCGディレクター:石川大輔(モンスターズエッグ)
撮影監督:伊藤哲平
編集:柳圭介
音楽:照井順政
音響監督:えびなやすのり
音響制作:dugout
制作:MAPPA
「懐玉・玉折」オープニングテーマ:キタニタツヤ「青のすみか」(Sony Music Labels)
「懐玉・玉折」エンディングテーマ:崎山蒼志「燈」(Sony Music Labels)
「渋谷事変」オープニングテーマ:King Gnu「SPECIALZ」(Sony Music Labels)
©芥見下々/集英社・呪術廻戦製作委員会
公式サイト:https://jujutsukaisen.jp

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